かりがね(その他表記)Anser erythropus; lesser white-fronted goose

精選版 日本国語大辞典 「かりがね」の意味・読み・例文・類語

かりがね

  1. 〘 名詞 〙 鳥「あまつばめ(雨燕)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「かりがね」の意味・わかりやすい解説

カリガネ
Anser erythropus; lesser white-fronted goose

カモ目カモ科全長 53~66cm。マガンに似るが,本種はやや小型で,基部に接する白い額が出っ張り,眼のまわりに黄色の眼輪がある点などが異なる。下腹部が白いほかは,羽色はほぼ灰褐色で,背,,尾,胸腹部は羽縁が淡く,波型の横縞模様をつくっている。また,胸はやや色が淡く,明瞭ではないが,腹部に黒い帯模様がある。嘴は桃色スカンジナビア半島北部からシベリア北部にかけてのユーラシア大陸の高緯度地域で繁殖する。ツンドラ地帯に巣をつくり,草や草の実,落ち穂などを食べる。繁殖を終えて渡る越冬地は不連続に分布し,ヨーロッパ南東部から黒海にかけての地域と,イラクトルコなどカスピ海の南部,日本や朝鮮半島南部,中国南東部などである。生息数は 2013年現在世界で約 3万羽と少なく,日本で越冬するのはごく少数である。環境省のレッドデータブックでは近い将来絶滅の危険の高い絶滅危惧IB類に指定されている。(→ガンカモ類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「かりがね」の意味・わかりやすい解説

カリガネ
かりがね
lesser white-fronted goose
[学] Anser erythropus

鳥綱カモ目カモ科の鳥。北ヨーロッパ、シベリアの北極圏で繁殖し、日本にも少数渡来する。全身暗褐色でマガンに似るが、全長約60センチメートルと小形である。古書に「雁(かり)がね」「かりが音(ね)」「かりが子(ね)」などとあるのは、ガン全体をその声に由来してよんだ名であるが、本種の声はカカカッ、クワカカッと甲高く澄んだよい声で、真の「雁が音」にふさわしい。

黒田長久


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百科事典マイペディア 「かりがね」の意味・わかりやすい解説

カリガネ

カモ科の鳥。翼長38cm。ガン類の1種で,マガンに似るがより小型。成鳥くちばしピンク色で短い。ユーラシアの北極圏で繁殖し,冬は南方へ渡る。日本へは数少ない冬鳥として渡来し,おもに水田で落ち穂や雑草を食べる。東アジア全体で6000羽ほどしかいないとされる。絶滅危惧IB類(環境省第4次レッドリスト)。
→関連項目ガン(雁)

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世界大百科事典(旧版)内のかりがねの言及

【マガン(真雁)】より

…飛行中遠方からも聞こえる大声でクワッカカッ,クワッカカッと鳴く。古くはかりがね(雁金)と呼ばれ,現在のカリガネA.erythropusのほうは小雁金と呼ばれていた。天然記念物。…

※「かりがね」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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