病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説
カルシウムチャネル遮断剤(Ⅳ群)
《ジルチアゼム塩酸塩製剤》
《ベプリジル塩酸塩水和物製剤》
ベプリコール(MSD、第一三共)
《ベラパミル塩酸塩製剤》
ベラパミル塩酸塩(大興製薬、武田テバファーマ、武田薬品工業、鶴原製薬、日本ジェネリック)
ワソラン(エーザイ、マイランEPD)
カルシウムチャネル遮断剤(カルシウム拮抗剤)は、心臓への興奮の伝わりを抑制して、心筋の緊張をやわらげ、正常な拍動のリズムに戻す薬です。抗不整脈剤のクラスⅣ群に分類されます。
ベラパミル塩酸塩製剤は、急性期以外の狭心症や心筋梗塞、頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)の治療に用いられます。また、小児の頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)の治療にも使用されます。
ベプリジル塩酸塩水和物製剤は、ほかの抗不整脈剤が使用できないか、または無効の場合の頻脈性不整脈、持続性心房細動、狭心症の治療に用いられます。
①過敏症状(
②ベラパミル塩酸塩製剤で、心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失などの循環器障害、皮膚粘膜眼症候群、
ベプリジル塩酸塩製剤で、QT延長、心室頻拍、心室細動、洞停止、房室ブロック、間質性肺炎、無顆粒球症がおこったときは、使用を中止してただちに医師に相談してください。そのほか、失神発作、肝障害、頭痛、めまい、吐き気、
また、医師から指示された検査は必ず受けてください。
①錠剤で、食後の服用が原則です。ただし、1日の服用回数・1回の服用量については、医師の指示を守ってください。
また、正しい服用ができるように、あらかじめ医師に自分の日常生活や仕事の状況をよく話して、無理なく服用できるような方法を指導してもらってください。
②過去にこの薬で過敏症状をおこしたことがある人、うっ血性心不全、高度の刺激伝導障害(Ⅱ度以上の房室ブロック、洞房ブロック)のある人などは、使用できません。医師に報告してください。
ベプリジル塩酸塩製剤では、明らかな洞性徐脈、QT延長のある人、リトナビル、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、イトラコナゾール、アミオダロン塩酸塩(注射剤)、エリグルスタット酒石酸塩製剤を使用中の人には使えません。医師に報告してください。
③妊婦あるいは現在妊娠している可能性のある人は、使用できません。あらかじめその旨を医師に報告してください。
④子どもや高齢者は、使用量を誤ると副作用が強く出ます。家族の人も協力し、指示された服用量をきちんと守るようにしてください。
⑤ベプリジル塩酸塩製剤は、めまいなどが現れることがあるので、自動車運転や危険を伴う作業にたずさわる人は、医師に相談してください。
⑥現在使用中の薬があったり、ほかに薬を使う場合には、必ず医師に相談してください。薬によっては、降圧剤、βブロッカー製剤などの交感神経抑制剤、抗不整脈剤、利尿剤、強心剤、トリアゾール系抗真菌剤、フェニトイン製剤、グレープフルーツジュースなどと併用すると効果が低下したり、副作用が出やすくなります。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報