きのこ中毒(読み)きのこちゅうどく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「きのこ中毒」の意味・わかりやすい解説

きのこ中毒
きのこちゅうどく

毒キノコの中毒で,症状は次のように大別できる。 (1) 胃腸型 食後 30分~1時間後に突然起る嘔吐下痢腹痛,虚脱など。 (2) コレラ型 食後約 10時間を経過してから起る嘔吐,激しい下痢,米のとぎ汁様の排便,虚脱,昏睡など。 (3) 溶血型 黄疸,チアノーゼ,血色素尿など。 (4) 神経型 毒素中枢神経に作用して,食後1~2時間で次のような症状が出てくる。散瞳,狂騒状態,筋強直,四肢末端の紅潮,意識混濁,酩酊状態,歌い踊るなど。治療としては,嘔吐させ,胃洗浄を行い,下剤を投与し,炭末などの吸着剤を使用する。ムスカリン中毒 (ドクスギタケ,テングダケ) にはアトロピンを用いる。心臓衰弱には強心剤,脱水には輸液,麻痺型にはストリキニーネ,興奮型には鎮静剤を用いる。

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