ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンナ」の意味・わかりやすい解説
キンナ
Cinna, Lucius Cornelius
[没]前84. アンコナ
古代ローマの政治家。民衆派 (ポプラレス ) の指導者。内乱期に頭角を現し,前 87~84年まで連年執政官 (コンスル ) 。閥族派 (オプチマテス ) の L.スラと対立した。スラがローマに不在の間に内乱後市民権を得た人々を旧トリブスに所属させる法律を通過させたが,帰還したスラによってくつがえされたので,G.マリウスとともにイタリア諸都市を味方につけ,ローマに進軍,占領し元老院派を一掃,前 86年マリウスの死後も実権を握り,先の法律を復活し,経済政策の改革を行なって騎士身分 (エクイテス ) とプレプス (平民) の提携を実現させた。ミトラダテス戦争に勝利したスラの帰還にそなえて,スラ攻撃を企てたが,部下の反抗にあい殺された。彼の娘コルネリアはユリウス・カエサルの妻。
キンナ
Cinna Magnus, Gnaeus Cornelius
キンナ
Cinna, Lucius Cornelius
キンナ
Cinna, Gaius Helvius
[没]前44?
ローマの詩人。カツルスの友人。アレクサンドリア派の学者詩人。代表作『スミルナ』 Smyrna。カエサルの葬儀後,暗殺者の一味のキンナとまちがえられて殺された。
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