くく

精選版 日本国語大辞典 「くく」の意味・読み・例文・類語

く‐く

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. おさえたような笑い声を表わす語。
    1. [初出の実例]「中野君は小さい声でくくと笑った」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉四)
  3. 鶏や鳩などの鳴き声を表わす語。
    1. [初出の実例]「鶏は五の徳があり〈略〉はみものをみ、土を足で虫どもとり出して、くくと云て友をくわするは仁なり」(出典:玉塵抄(1563)一八)

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普及版 字通 「くく」の読み・字形・画数・意味

】くく

大言する。また、へつらい笑う。唐・韓〔柳子厚墓誌銘〕今夫(そ)れ居里に相ひし、酒游戲、相ひ(ちやうちく)し、として強ひて笑語し、以て下ることを相ひ取る。~眞(まこと)に信ずべきが(ごと)きも、一旦小利に臨めば、~反眼して相ひらざるがし。

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】くく

くつかざりを加えた(くつ)。〔後漢書、明帝紀〕(永平)二年春正辛未、光武皇堂に宗祀す。列侯、始めて冠冕衣裳玉佩して、以て事(まつり)を行ふ。

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】くく

目を見張る。〔子、非十二子〕吾(われ)、汝に學嵬容(くわいよう)を語らん。~其の容は(傲慢)~瞿瞿然(くくぜん)(見まわす)、盡盡然(見すえる)、然たり。~是れ學の嵬なり。

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】くく

つつしみ深くする。〔列子楊朱〕遑遑爾として一時譽を競ひ、死後の餘榮を規(はか)り、爾として耳目聽を愼み、身の是非を惜しむ。~重囚梏(るいこく)、何を以て異(こと)ならんや。

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】くく

くつの先の飾り。〔礼記玉藻子は裘せず、帛せず、(かざ)りせず、(しふく)無し。

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【句】くく

くつの頭部に飾りのあるもの。〔荘子、田子方〕儒圜冠を冠するは、天時を知るなり。句を履くは、地形を知るなり。

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】くく

寛やかで大きい。〔詩、大雅、韓奕〕川澤として 魴(はうしょ)甫甫(大きい)たり

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吁】くく

息する。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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