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アメリカの物理学者。シカゴに生まれる。父はテキサスのサザン・メソジスト大学の語学の教授で、彼も同校を1951年に卒業した。シカゴ大学大学院に進み、実験核物理学を学び、1955年に博士号を取得した。ブルックヘブン国立研究所の研究員を経て、1958年にプリンストン大学の助教授に就任、1962年に準教授、1964年に教授に昇格した。1971年にはシカゴ大学教授となった。
高エネルギー物理学を専門に研究、1964年にプリンストン大学においてV・L・フィッチと共同でK中間子崩壊の実験を行った。そこで彼らは、中性K中間子の崩壊を観測し、CP保存の破れ(時間反転の対称性の破れ)を発見した。パリティ(P)は波動関数の対称性のことで、1956年にパリティ保存の破れは発見されていたが、荷電共役変換(C)との組合せによるCP保存は保たれていると考えられていた。この発見は当時の物理学界に大きな衝撃を与えたが、クローニンがフィッチとともに中性K中間子崩壊における基本的対称性の破れの発見により、ノーベル物理学賞を受賞したのは16年後の1980年であった。
[編集部 2018年7月20日]
イギリスの小説家。スコットランド生まれ。グラスゴー大学医学部在学中、第一次世界大戦に軍医として従軍、卒業後、南ウェールズの炭鉱地帯で医業につき、ロンドンで開業した。しかし過労がたたって健康を害し、静養中に試みた小説『帽子屋の城』(1931)が大成功を収め、これを機会に創作に転じた。この作品では徹底したエゴイストを、第二作『三つの愛』(1932)では破壊的な愛を描いている。ベネット、モームの伝統に沿った力強い性格描写と筋のおもしろさとで、次々とベストセラーを世に送ったが、『城塞(じょうさい)』(1937)、『育ちゆく年』(1944)など、逆境に置かれた若い主人公が人生の難関を乗り越えて成長していく教養小説的主題の作品が多い。
[安達美代子]
『竹内道之助訳『クローニン全集』全22巻(1973・三笠書房)』
イギリスの小説家。スコットランド生れ。グラスゴー大学で医学を修め,ロンドンで開業,病気療養中発表した《帽子屋の城》(1931)で一躍有名になり,以後文筆に専念する。坑夫の出世物語《星は見ている》(1935),地方の青年医師が主人公の《城塞》(1937),《天国の鍵》(1941),《十字軍兵士の墓》(1956)など,まじめな主人公を描いた物語性に富んだ作品で多くの読者を得ている。初期の作品は社会的関心が強いが,後期には宗教的主題にも触れている。
執筆者:鈴木 建三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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