ハゴロモカンラン(羽衣甘藍),リョクヨウカンラン(緑葉甘藍)ともいう。アブラナ科のキャベツと同一種とされる一~二年草。キャベツとはちがい,結球せず,茎が立ち,上部に密生した葉を形成する。葉は長楕円形ないし円形で,葉縁に欠刻のあるものやパセリのように葉のちぢれるものなどがある。原産地はイタリアの海岸から山地にかけてで,ケルト人によりヨーロッパに広められた。日本へは古く伝わったとされ,明治初年に改めて導入されたが,野菜としての発達は遅れている。草丈の低い矮性(わいせい)種と草丈の高い高性種とがあり,葉形にも変化が多い。コラードcollardも一品種である。また観賞用に栽培されるハボタンもこの仲間の一型である。冷涼な気候を好み,春まきと秋まきができる。葉をしぼって青汁を飲用するほか,サラダや〈つま〉としても使われる。また飼料用にも用いる。
執筆者:平岡 達也
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アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の多年草。キャベツの1変種で結球しない。葉が縮緬(ちりめん)状になる系統をケール(ハゴロモカンラン)といい、葉の縮みのないものをコラードcollard(カキバカンラン)というが、かならずしも明確に区別されず、一般にケールとよばれている。多くのタイプがあり、茎の肥大するものはマローケール、茎が立つ系統はツリーケールという。日本には江戸時代に渡来したが、食用としては発達せず、現在のケールは明治以降に改めて導入されたものである。若い葉を摘んで煮物やサラダにし、最近は青汁用として一般家庭でもつくられる。飼料用にもされる。
[星川清親 2020年11月13日]
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…冬,花壇の唯一の材料として広くつくられているアブラナ科の草本(イラスト)。原種は江戸時代に日本に渡来し,オランダ菜と呼ばれていた不結球の緑葉のキャベツで,その後冬を迎えて着色するものに改良された。現在では,その系統により,丸葉種(東京ハボタン)とちりめん葉種(名古屋ハボタン)に分けられるが,中間雑種は大阪ハボタンと称され,両者の特性を相半ばしてそなえている。最近キョウナ(京菜)との間に交配が行われて葉が細く切れた切れ葉もあらわれ,また鉢植用に矮性(わいせい)種も作出されている。…
※「ケール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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