コトル(その他表記)Kotor

デジタル大辞泉 「コトル」の意味・読み・例文・類語

コトル(Kotor)

モンテネグロ西部の都市アドリア海東岸の複雑に入り組んだコトル湾の最奥部に位置し、背後に標高1749メートルのロブツェン山を擁する。紀元前より天然良港で知られ、交易都市として栄えた。堅固な城壁に囲まれた旧市街には、聖トリフォン大聖堂をはじめ、ベネチア共和国時代の歴史的建造物が残っている。1979年と2003年に「コトル地方の歴史的建造物と自然」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コトル」の意味・わかりやすい解説

コトル
Kotor

モンテネグロ南西部,アドリア海に臨むコトル湾奥の町。ニクシチの南約 50km,ロブツェン山(1749m)のふもとに位置する。古代ローマ時代からアクルビウム Acruviumの名で交易商業が栄え,ビザンチン帝国下では自治都市,1186~1371年にはセルビア王国(→ネマーニヤ朝)の自由都市となった。その後,一時期ベネチア共和国(→ベネチア),ハンガリーに支配されたが,1395~1420年独立国となり,以降 1797年まで再びベネチア共和国に所属。オスマン帝国侵攻地震で大きな被害を受け,1807~14年フランス,1814~1918年オーストリアの支配下に入った。聖トリフォン大聖堂(1166)をはじめとする歴史的建造物が多く,中世面影を色濃く残している。1979年コトル湾を囲む自然や文化的,歴史的景観国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界遺産の文化遺産に登録された。2017年には市街地に残る要塞跡などが 16~17世紀のベネチア共和国の繁栄ぶりを示すものとして,イタリア,クロアチアの 5ヵ所の構成資産とともに世界遺産の文化遺産に登録された。人口 5341(2003)。

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百科事典マイペディア 「コトル」の意味・わかりやすい解説

コトル

モンテネグロ西部にある都市。アドリア海に面した港町で,天然の要塞としてローマ時代から多くの国々が支配権を争った。中世には芸術と商業の盛んな自治都市として繁栄。町は城壁で囲まれ,宮殿や4つのローマ・カトリック教会,12世紀の建造の聖トリフォン大聖堂などがあり,中世の町並みを残している。1979年の地震で大きな被害を受けたが,ユネスコの支援などで修復された。町の自然および文化・歴史地区は1979年,世界文化遺産に登録,同時に〈危機にさらされている世界遺産〉に登録。

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