コペルニクス的転回(読み)こぺるにくすてきてんかい(英語表記)Kopernikanische Wende ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コペルニクス的転回」の意味・わかりやすい解説

コペルニクス的転回
こぺるにくすてきてんかい
Kopernikanische Wende ドイツ語

カントが、自分の学説の独創的なることを自負して用いた語。従来認識は、すでに存在している外界主観がいかに受け入れるか、というところに成立すると考えられていたが、カントは、認識の対象である世界は、空間・時間および範疇(はんちゅう)という感性悟性の先天的形式にのっとってもともと主観が構成したものである、と主張し、天文学において発想転換を図ったコペルニクス自らをなぞらえたのである。

[武村泰男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コペルニクス的転回」の意味・わかりやすい解説

コペルニクス的転回
コペルニクスてきてんかい
Kopernikanische Wendung

カントが自己の認識論上の立場を表わすのに用いた言葉。これまで,われわれの認識は対象に依拠すると考えられていたが,カントはこの考え方を逆転させて,対象の認識はわれわれの主観の構成によって初めて可能になるとし,この認識論上の立場の転回をコペルニクスによる天動説から地動説への転回にたとえた。

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