ティトゥス(読み)てぃとぅす(英語表記)Titus Flavius Vespasianus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティトゥス」の意味・わかりやすい解説

ティトゥス
てぃとぅす
Titus Flavius Vespasianus
(39―81)

ローマ皇帝(在位79~81)。ウェスパシアヌス帝の長男で、12歳年下の弟にドミティアヌス帝がいる。高級将校としての軍務ののちに、父に同伴してユダヤ戦争に参加した。ネロ帝死後の内乱時に、父を助けて積極的な軍事活動を行った。70年、エルサレムを占拠し、最高司令官として迎えられたのち、父帝の後継者に指名された。親衛隊長官としても父帝の統治を助けたが、反乱鎮圧の無慈悲さや愛人問題のために世評は芳ばしくなかった。しかし、父帝の死後は、民衆に対する寛大なふるまい、またベスビオ火山の噴火疫病の流行やローマ市大火の際の救済活動への尽力などのために、人々の称賛を浴びて、短い治世にもかかわらず、一世代後には「人類の寵児(ちょうじ)」とたたえられた。彼の治世下ローマのコロセウムが完成した。

[本村凌二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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