1848年に設立された,アメリカで最も歴史が古く,取引量も最大の商品取引所。そこで形成されるトウモロコシ,小麦,大豆などアメリカの代表的な農産物の価格は〈シカゴ相場〉の呼称で国際的な指標となっている。70年代後半からは後述のように穀物中心の取引所から総合色を強めている。
シカゴはミシガン湖の南に位置し,アメリカの商業的農業の中心地である中西部において,トウモロコシ,小麦の集散地点として発達していったが,秋の収穫期には入荷が集中し,農民が満足できる値段で売ることができなかったり,逆に春から夏の端境期には穀物不足で異常な値上がりをみせることも珍しくなかった。売手,買手双方がこの極端な価格変動を避ける手だてとして編み出したのが,先渡契約(先物取引)である。農民は事前に売契約することで安心して生産でき,買手も計画的に動けるようになった。こうした先渡契約をシカゴのおもだった穀物商人が集まって制度化し,組織したのがシカゴ商品取引所である。当初は商人どうしがすべて信用に基づいて取引していたが,1865年先渡契約の担保として証拠金制度を採用,近代的な商品取引所がスタートした。19世紀後半以降,アメリカの穀物の生産性が飛躍的に向上し,重要な輸出商品として位置づけられるにつれて,シカゴ商品取引所はアメリカの国内取引の指標の枠を踏み出し,国際穀物取引の指標市場としての役割を担っていった。また1975年のGNMA(政府保証抵当証券)を皮切りに,財務省債券,財務省証券(TB),譲渡性預金(CD),商業手形(CP)などを上場,さらに82年には財務省債券のオプション(選択権付き売買)取引をスタートさせるなど,金融先物にも力を入れている。83年の原油上場は1974年の金に次ぐ金融商品外の新規上場で,穀物,金,原油と大型商品が勢ぞろいした形である。
→国際商品 →商品市場
執筆者:米良 周
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本では,乾繭・生糸,綿花・綿糸,豆類,澱粉,砂糖等々が各地の取引所に上場されているが,アメリカでは穀物,大豆,畜産物なども上場される。とくにシカゴ商品取引所の小麦,トウモロコシ,大豆の価格は,世界的な標準価格として有名である。(2)卸売市場 生鮮食料品の現物取引が,複数の荷受問屋と多数の卸小売商との間で競争的に行われる。…
※「シカゴ商品取引所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新