じぶ煮(読み)じぶに

精選版 日本国語大辞典 「じぶ煮」の意味・読み・例文・類語

じぶ‐に【じぶ煮】

〘名〙 鴨や山鳥の肉にそば粉小麦粉をまぶして、だし、酒、みりんしょうゆを合わせた煮汁で煮て、ネギセリなどを加え、おろしわさびを添える料理。じぶ鍋。じぶ。その名の由来には、文祿の役の兵粮奉行岡部治部右衛門が発案したことから、長野県渋温泉付近の郷土料理であることから、じぶじぶと煮ることから、など諸説ある。

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デジタル大辞泉 「じぶ煮」の意味・読み・例文・類語

じぶ‐に【じぶ煮】

かもや鶏の肉に小麦粉をまぶし、季節野菜などと醤油しょうゆ味の汁で煮た料理。金沢地方の郷土料理。じぶ鍋。加賀煮 冬》
[類語]煮物煮付け煮染め煮転がし煮浸し旨煮含め煮煮込み煮凝にこご角煮兜煮煮魚筑前煮従兄弟煮甘露煮時雨煮佃煮

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世界大百科事典(旧版)内のじぶ煮の言及

【郷土料理】より

…すむつかりは〈酢憤〉と書き,大豆をいって酢をかけるとしわがよって,子どもがむずかったときの顔に似ているための名だといい,《宇治拾遺物語》などに名が見える。
【中部地方】
じぶ煮小麦粉やカタクリ粉をまぶしたカモの肉を,セリ,ネギなどとともに,しょうゆやみりんを合わせた汁で煮る金沢の名物料理。 カブラずし薄切りにしたカブラ(カブ)の間に,これもきわめて薄く切った塩ブリをはさんでこうじ漬にした漬物で,石川県の名物。…

※「じぶ煮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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