従兄弟煮(読み)いとこに

精選版 日本国語大辞典「従兄弟煮」の解説

いとこ‐に【従兄弟煮】

〘名〙 小豆または豆と野菜の寄せ煮料理。全国に広く行なわれ、正月、事八日、祭礼、収穫祭などに食べる。神饌(しんせん)を集めて煮ることに始まり、雑煮と同じ風習従兄弟汁。〔伊京集(室町)〕
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「お琴といふものはネ。をつるしてお琴煮。ヲヤ、おことぢゃアねへ従弟煮(イトコニ)を」
[補注]語源としては、煮えにくいものから「追い追い」入れて煮るところから、「(おいおい)」にかけて名付けたなどのもあるが、野菜ばかりを煮るところから、近親関係のいとこにかけてしゃれたものか。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典「従兄弟煮」の解説

いとこに【従兄弟煮】

あずきと、いも類・ごぼう・大根などの野菜、豆腐などをかたくて煮えにくいものからに入れ、みそしょうゆ調味した煮物。あずき以外の材料や味つけは地方によりさまざまなものがある。◇材料をおいおい(甥)、めいめい()に入れるからとも、野菜だけを煮るため、近親関係にあるからともいわれる。

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デジタル大辞泉「従兄弟煮」の解説

いとこ‐に【従弟煮】

小豆・牛蒡ごぼう・芋・カボチャなどを、堅いものから順に入れ、醤油か味噌で味をつけた煮物。おいおい(甥々)めいめい(姪々)に煮るという洒落しゃれから、また、野菜ばかりを煮るところからの名という。
[類語]煮物煮付け煮染め煮転がし煮浸し旨煮含め煮煮込み煮凝にこごじぶ煮角煮兜煮煮魚筑前煮甘露煮時雨煮佃煮

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世界大百科事典内の従兄弟煮の言及

【日本料理】より

…ところが日本の料理人たちは,それに肴物としての役割を果たさせようとしてくふうをこらした。古くから日本人には気のきいたしゃれや軽口を秀句と呼んでかっさいする風があり,そうした秀句好きの風潮に便乗して,例えば〈従兄弟煮(いとこに)〉とか〈天竺(てんじく)みそ〉といった名をつけて供したのである。前者はアズキ,ゴボウ,サトイモ,ダイコン,豆腐,焼きグリなどをみそ煮にしたもの,後者はトウガラシで口が焼けそうななめみそである。…

※「従兄弟煮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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