改訂新版 世界大百科事典 「セグロセキレイ」の意味・わかりやすい解説
セグロセキレイ (背黒鶺鴒)
Japanese wagtail
Motacilla grandis
スズメ目セキレイ科の鳥。全長約21cm。背中,顔,胸が黒く,額,腹は白い。白色のよく目だつ眉斑がある。日本特産種で,北海道,本州,佐渡島,四国,九州で繁殖し,冬季に一部は暖地に移動する。ハクセキレイとはごく近縁で,最近の地質時代に分化したものと考えられる。石がごろごろしている河川中流域や湖岸にすみ,水ぎわを歩きながらおもに水生昆虫や幼虫をとらえて食べる。早春,河原の石の隙間や茂った草の間,積み上げられた石や木材の下,人家の隙間などに巣をつくり,1腹4~6個の卵を産む。抱卵と育雛(いくすう)は雌雄で分担する。繁殖期にはつがいは巣場所と餌場を含めたなわばりを構え,それを秋まで維持する。冬になり渇水や積雪によって採食可能な場所が少なくなるとなわばりを解消し,群れて共同の餌場に集まる。なわばり内でねぐらをとるが,厳冬期には小規模の集団でねぐらをとりもする。
→セキレイ
執筆者:長谷川 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報