セント・ジョン(読み)せんとじょん(英語表記)Saint John

翻訳|Saint John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セント・ジョン」の意味・わかりやすい解説

セント・ジョン
St. John, Oliver

[生]1598? ベッドフォードシャー
[没]1673.12.31.
イギリス,清教徒革命期の法律家,政治家。 1626年法曹界に入り,37年 J.ハムデンの船舶税裁判の弁護で名を揚げた。 40年短期議会,続いて長期議会の議員に選ばれ,41年法務次官に任じられたが,ストラッフォード (伯)弾劾法案提出者の一人になるなど王意にそわなかったため,43年罷免された。清教徒革命では,O.クロムウェル親戚という関係もあって議会派指導者の一人として活躍し,43~46年国璽委員,45年アクスブリッジでの国王側との交渉委員などをつとめ,47年議会と軍隊との対立では独立派として後者を支持し,48年民訴裁判所主席判事になったが,国王チャールズ1世の裁判には関与するのを断った。護国卿政権崩壊期の 59年国務会議委員となり,軍隊と議会の仲を調停して G.マンクと連絡を取り,王政復古尽力。王政復古後,公職を追放され,62年大陸に渡って各地を放浪

セントジョン
Saint John

カナダ東部,ニューブランズウィック州南部にある同州最大の都市。セントジョン川がファンディ湾に注ぐ地点に位置する。 17世紀中頃フランスが砦を築いたが,1758年イギリスに占領された。 83年,アメリカ合衆国からの王党派が港の周囲に2つの集落を建設。 85年合併して,セントジョン市になった。港は冬季も結氷しないため,物資集散造船漁業の根拠地として発展した。しかし,1877年の大火木材輸出の衰退で成長が鈍った。州南部の商業,製造業,交通の中心地で,製材,精糖,紙・パルプ,繊維などの工業が立地する。漁業も主産業である。河口では潮差が 9mほどになり,満潮時には海水が滝のような壁をつくって押寄せ,「逆流滝」 revering fallsと呼ばれる。人口7万 4969 (1991) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セント・ジョン」の意味・わかりやすい解説

セント・ジョン
せんとじょん
Saint John

カナダ、ニュー・ブランズウィック州南部の港湾都市。人口6万9661、大都市圏人口は17万2918(2001)。ファンディー湾に注ぐセント・ジョン川の河口に位置する。大陸横断鉄道の終点で、大西洋岸の不凍港として最新の港湾設備を有し、州内の農産物、木材、魚類を輸出している。木材の集散地でもあり、近年パルプ、製紙業が発達、石油、鉄工業も勃興(ぼっこう)しているが、カナダ政府はファンディー湾一帯の環境保全を維持しながら工業都市化を進めている。

[山下脩二]

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