テルビウム(読み)てるびうむ(英語表記)terbium

翻訳|terbium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テルビウム」の意味・わかりやすい解説

テルビウム
てるびうむ
terbium

周期表13族に属し、ランタノイド元素で、希土類元素の一つ。1843年スウェーデンのモサンデルによって発見された。それまでイットリウム酸化物といわれていたイットリアが3種の元素の酸化物からなることが明らかにされ、希土類元素鉱物が最初にみつかったスウェーデンの町イッテルビーYtterbyにちなんで、イットリウム、エルビウムと並んで命名された。希土類元素のうち、その量が少ないものの一つ。銀灰色金属。空気中室温で表面が酸化され、熱時酸化テルビウム(Ⅲ)となる。熱水、酸に水素を発して溶ける。普通、酸化数Ⅲの化合物をつくる。

[守永健一・中原勝儼]



テルビウム(データノート)
てるびうむでーたのーと

テルビウム
 元素記号  Tb
 原子番号  65
 原子量   158.9254
 融点    1360℃
 沸点    3100℃
 比重    8.229
 結晶系   六方
 元素存在度 宇宙 (Si106個当りの原子数)
          0.052(第78位)
       地殻 0.9ppm(第57位)
       海水 0.14×10-3μg/dm3

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テルビウム」の意味・わかりやすい解説

テルビウム
terbium

元素記号 Tb ,原子番号 65,原子量 158.92534。周期表3族,希土類元素でランタノイド元素の1つ。通常モナズ石,ガドリン石などの希土類鉱物中に他の希土類元素に随伴して少量産出する。地殻における平均存在量 0.9ppm,海水中の存在量は確定されていない。 1843年スウェーデンの化学者 C.モサンデルが発見した。単体は銀灰色の金属で,融点約 1356℃,比重 8.277。空気中で容易に酸化される。酸化物 Tb2O3 は白色粉末。

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