超常現象の一つ。目を使わずに他の身体部位で字を読んだり,カードの裏の図形をあてたり,遠くにある物の様子を見ること。俗にいう千里眼にあたる。超心理学ではESP(超感覚的知覚)といい,テレパシーと同質の現象とする。中国では,1979年以後,各地で超能力をもつ児童が多数発見された。身体で字を知る部位は耳,わきの下,指などが多いが,頭頂,膝,背中,足裏,臀部(でんぶ)などで知る場合もある。色彩や図形の識別は,主に前額や頭の各部でなされる。この能力は精神状態および身体の健康状態と関係が深く,心身不安定のときは判別できにくい。またこの能力は,訓練によって人工的に誘発することができる。この能力は主に8~15歳の児童に多く見いだされる。これは,幼少年期には無意識の力が活発なためと思われる。また,東洋医学でいう経絡の気の流れと関係があるものと考えられている。したがって,深層心理学,心身医学,東医学などによる研究が必要である。
→超常現象
執筆者:湯浅 泰雄
X線検査における一手法。医療,工業両方面において用いられる。医療面では消化器系および循環器系の検査にとくに多く使用されるのをはじめ,その適用範囲は医療検査のすべての範囲におよぶ。工業利用として,製品の品質検査,空港等における危険物の検査にも用いられている。透視の原理は,物体を透過してきた不可視のX線が蛍光板(ZnCdS/Agなど)に当たり,そこに可視像を形成するという〈X線の蛍光作用〉を応用したものである。現在は蛍光板のかわりに蛍光増倍管(イメージインテンシファイアimage intensifier)が用いられ,撮像管やモニターテレビと組み合わせたX線テレビシステムを形成している。X線透視の特徴は,X線写真に比べ解像力は劣るが,動態の観察や立体的関係を容易に把握できることである。X線テレビ方式の利用により検者,被検者のX線被曝(ひばく)も軽減され,明るい室内での検査が行える。またビデオテープ,映画撮影による動的記録もなされ,画像処理を加えることも可能になっている。
執筆者:蜂屋 順一+金場 敏憲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
超心理学の用語。通常の感受器官を媒介しないと考えられる条件のもとで、外界の事物・できごとについての知識を得ること。古くは音やことばなどを感じる場合を「透聴」clairaudienceといったが、現在では伴うイメージの種類にかかわりなく、また、それを伴わぬ場合でも、生体の反応が、外界の事物の存在や変化と意味のある対応を示す場合を含んで用いられている。透視は、アメリカの心理学者ラインにより最初に実験的に証明された超常現象の一つで、テレパシー、予知とともにESPに総括される。日本で古くから千里眼とよばれていた。1910年(明治43)ごろ心理学者福来友吉(ふくらいともきち)により行われた研究が有名。
[大谷宗司]
X線検査の一つであるX線透視のことを単に透視とよぶことがある。
[編集部]
「X線透視診断」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報
…超感覚的知覚extra sensory perceptionの略語。超心理学では透視,テレパシー,予知の三つをまとめていう。このうち最もよくみられるのが透視で,俗に千里眼ともよばれる。…
…アメリカの科学者ブキャナンJ.R.Buchanan(1814‐99)が提唱した用語で,ある実験によれば男性の10人に1人,女性の4人に1人がこの能力を持つという。この能力は透視の一種とされ,かつて存在した人間の記憶がにおいと同様に周囲の事物に残るとする超心理学的仮説に依拠している。ESPカードによる透視能力実験などはこの応用であり,近年ではサイコメトリーを用いて犯罪現場の遺留品から犯人や被害者の行方を探る試みも,英米で行われている。…
…当時ラインは,死後生存仮説を検討するための第1段階として,純粋テレパシー現象の実在を実験的に検証しようとしていたが,研究の進展に従い,その難しさに気がついた。その経過の中で副産物的に透視という現象が確認され,次いで,純粋透視の可能性を排除しつつ純粋テレパシーの検証を行おうとしたとき,実験終了後結果を集計すると,そのデータを予知的に知ってしまう可能性のあることが推定された。そこでESPカードにより予知の存在を確認するための実験を行ったところ,偶然では考えられないほどの高得点が得られ,ラインは予知の存在を主張した。…
※「透視」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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