デージー(その他表記)daisy

翻訳|daisy

デジタル大辞泉 「デージー」の意味・読み・例文・類語

デージー(daisy)

雛菊ひなぎくのこと。デイジー 春》「踏みて直ぐ―の花起き上る/虚子
[類語]黄菊白菊残菊野菊除虫菊雛菊矢車菊

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精選版 日本国語大辞典 「デージー」の意味・読み・例文・類語

デージー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] daisy ) 植物「ひなぎく(雛菊)」の異名。
    1. [初出の実例]「白い雛菊(デージー)や黄金色なすバタカップスの咲き乱るる野草の中に」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉夏の海)

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改訂新版 世界大百科事典 「デージー」の意味・わかりやすい解説

デージー
daisy

ブルーデージーなどデージーと名のつく草花はたくさんあるが,日本では単にデージーといえばヒナギク(雛菊)Bellis perennis L.を指す。エンメイギク(延命菊),チョウメイギク(長命菊)ともいう。またEnglish daisy,true daisyの英名もある。ヒナギクはヨーロッパ西部地方にひろく自生する多年草で,路傍芝生の中にも散見する。丈10cm程度の白色花が原種であるが,長年の間に改良されて,大輪,中輪,小輪,八重咲きや盛上咲き(ポンポン咲き),平弁や管弁,花色は紅,白,ピンクなど多くの系統や品種がつくられている。改良されたものでは,草丈は10~15cm,秋冬はへら形の根生葉がロゼット状を呈し,春1株の中心に花が咲くと,短い茎を出して側株をつくり,次々と開花する。1花は花茎の頂部に単生し,品種によって舌状花だけ,あるいは管状花だけ,両者混合したものなどがあり,花期が長い。花芽は株の栄養生長と涼しい温度に支配されてできるが,高温には弱く枯れやすい。地方によって宿根草としても取り扱い,また秋まき一年草としても栽培できる。種子は細かいが,よく発芽するので,平鉢,平箱などにばらまきとするか,播種(はしゆ)床にまく。本葉2~3枚のころに植えひろげ,冬は霜よけ下で保護して,春になって小鉢に植えたり,花壇プランターに植えつける。
執筆者:

デージーは古く〈デイズ・アイday's eye〉(〈太陽〉の意)と呼ばれ,その名は花の形が太陽に似ることに由来する。またマーガレットという別名(日本ではふつうモクシュンギクという別の花だけをマーガレットと呼ぶ)はつぼみと花冠の色が真珠(ラテン語でマルガリタmargarita)に似ることからきたが,ヘンリー6世の妃をはじめ同名をなのる女性は好んでこれを身に着けたという。中世には戦いで受けた傷の血止めに効果があるとされ,騎士は馬上武術試合の前にこれを襟に着けたという。また無垢(むく)の童心を象徴し,春には子どもがこれで花鎖を作って遊ぶ。花言葉は〈優しさと無心〉〈いちずな心と誠実な愛〉など。
執筆者:


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デージー」の意味・わかりやすい解説

デージー
でーじー
daisy
[学] Bellis perennis L.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。和名ヒナギク(雛菊)。ヨーロッパ西部の原産で、日本には明治初年に渡来した。花壇および鉢植えにして観賞されるが、春の花壇には欠かせない植物で、花が長く咲き続けるので、エンメイギク(延命菊)ともよばれる。葉は根際に着生し、へら形または倒卵形で柄があり、長さ3~5センチメートル、柔毛がある。春、葉の間から次々に高さ10センチメートル内外の花茎を出し、先端に1個の頭花をつける。頭花は周辺が舌状花で中心が黄色の管状花からなり、一重咲きのほか、園芸品種には八重咲きのものが多く、花径は2センチメートル程度の小輪から、7センチメートル以上になる大輪咲きまである。花色は赤、桃、白色などである。

 肥えた土壌ならどんな土質でもよく育つ。寒さには比較的強いが、夏の暑さと乾燥には弱く、夏の間に株を枯らすことが多いので、毎年種子を播(ま)いて殖やす。種子は8~9月に箱または苗床に条(すじ)播きにし、10月中に苗を花壇や小鉢に定植する。夏を越した株は秋に株分けを行う。

[松岡清久 2022年3月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デージー」の意味・わかりやすい解説

デージー
Bellis perennis; English daisy

キク科の小型の多年草。ヨーロッパに広く分布し,草原や牧場の雑草となっている。観賞用に改良されて栽培されるものもあり,日本では花壇に植えられている。葉は根生してロゼット状となり,長さ3~6cmの全縁でへら形。株の中央から高さ数 cmの花茎を出し,頂端に径1~2cmの頭状花をつける。舌状花は糸のように細く,多数が外周に並び,花色は白,赤,ピンクなどがある。中央に黄色の管状花がある。花期が長く早春から秋まで咲き続けるのでエンメイギク (延命菊) ともいわれ,またヒナギク (雛菊) ともいわれるが英名のデージーのほうがむしろ通りがよい。

デージー

「ドイツ電子シンクロトロン研究所」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「デージー」の意味・わかりやすい解説

デージー

ヒナギクとも。ヨーロッパ原産のキク科の多年草で,原産地ではごく普通に見られるかれんな野草であるが,長い間に園芸的に改良され,春の花壇用や鉢植として栽培されている。夏に弱いので,一般には秋まきの一年草として扱われる。葉は根出葉だけで,へら形または倒卵形。10〜15cmの花茎に1頭花をつける。花色は紅・桃・白等,また平弁・管弁・ななこ咲・巨大輪等の園芸品種がある。

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世界大百科事典(旧版)内のデージーの言及

【マーガレット】より

…margueriteはギリシア語margaritēs(真珠)に由来し,その清純な白い花を真珠にたとえたものであろう。花の名としては国によってさす植物がちがい,英語のmargueriteはデージー(ヒナギク)(イラスト),ひいてはモクシュンギクをさし,フランス語ではデージーをさす。またドイツ語のMargeriteは,フランスギクをいう。…

※「デージー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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