日本大百科全書(ニッポニカ) 「デージー」の意味・わかりやすい解説
デージー
でーじー
daisy
[学] Bellis perennis L.
キク科(APG分類:キク科)の多年草。和名ヒナギク(雛菊)。ヨーロッパ西部の原産で、日本には明治初年に渡来した。花壇および鉢植えにして観賞されるが、春の花壇には欠かせない植物で、花が長く咲き続けるので、エンメイギク(延命菊)ともよばれる。葉は根際に着生し、へら形または倒卵形で柄があり、長さ3~5センチメートル、柔毛がある。春、葉の間から次々に高さ10センチメートル内外の花茎を出し、先端に1個の頭花をつける。頭花は周辺が舌状花で中心が黄色の管状花からなり、一重咲きのほか、園芸品種には八重咲きのものが多く、花径は2センチメートル程度の小輪から、7センチメートル以上になる大輪咲きまである。花色は赤、桃、白色などである。
肥えた土壌ならどんな土質でもよく育つ。寒さには比較的強いが、夏の暑さと乾燥には弱く、夏の間に株を枯らすことが多いので、毎年種子を播(ま)いて殖やす。種子は8~9月に箱または苗床に条(すじ)播きにし、10月中に苗を花壇や小鉢に定植する。夏を越した株は秋に株分けを行う。
[松岡清久 2022年3月23日]