日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェア・ディール」の意味・わかりやすい解説
フェア・ディール
ふぇあでぃーる
Fair Deal
アメリカのトルーマン大統領が1949年の年頭教書でルーズベルトのニューディールに倣って初めて使ったことばで、「アメリカ国民はすべて公正な扱い(フェア・ディール)を受ける権利がある」として、連邦政府の経済規制、社会保障充実、タフト‐ハートレー法廃止、農産物価格支持の継続などを内容としていた。しかし同年なかばにアメリカ経済は戦後初めての不況に突入し、税収も減少したため、これらの政策実施のための財源も不足し、トルーマン政権自身の対ソ強硬政策とも相まって、フェア・ディールの諸政策実施よりも軍拡政策に不況打開のコースが向けられていったため、フェア・ディールのもとでニューディールの実績はかえって縮小していった。
[陸井三郎]