フェア・ディール(読み)ふぇあでぃーる(英語表記)Fair Deal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェア・ディール」の意味・わかりやすい解説

フェア・ディール
ふぇあでぃーる
Fair Deal

アメリカのトルーマン大統領が1949年の年頭教書ルーズベルトニューディールに倣って初めて使ったことばで、「アメリカ国民はすべて公正な扱い(フェア・ディール)を受ける権利がある」として、連邦政府の経済規制、社会保障充実、タフト‐ハートレー法廃止、農産物価格支持の継続などを内容としていた。しかし同年なかばにアメリカ経済は戦後初めての不況に突入し、税収も減少したため、これらの政策実施のための財源も不足し、トルーマン政権自身の対ソ強硬政策とも相まって、フェア・ディールの諸政策実施よりも軍拡政策に不況打開のコースが向けられていったため、フェア・ディールのもとでニューディールの実績はかえって縮小していった。

陸井三郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェア・ディール」の意味・わかりやすい解説

フェアディール
Fair Deal

1945年9月アメリカの H.トルーマン大統領が議会にあてた教書のなかで提示した国内政策の総称。トルーマンは F.ルーズベルトのニューディールよりも広範な内政上の改革を目指して,一連福祉政策の立法化を議会に求めた。その結果,最低賃金引上げ公共住宅制定,社会保障の拡充は達成されたが,労働法の改定や公民権法の制定などは議会の保守派にはばまれて実現しなかった。

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