ドンタク

デジタル大辞泉 「ドンタク」の意味・読み・例文・類語

ドンタク

《〈オランダzondagから》

日曜日
一六の―に五人一座で」〈魯文安愚楽鍋
休日休業
「ヤ。いかんいかん。時計は―じゃ」〈逍遥当世書生気質
博多どんたく」のこと。 春》「―ははやしながらにあるくなり/鶏二」

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精選版 日本国語大辞典 「ドンタク」の意味・読み・例文・類語

ドンタク

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] zondag から )[ 異表記 ] ソンダク
  2. 日曜日。日曜。
    1. [初出の実例]「一六のどんたく(日曜日)に五人一座で」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  3. ( ━する ) 休日。休業。また、休むこと。やすみ。〔広益熟字典(1874)〕
    1. [初出の実例]「一六二七の定例(さだめ)なく毎日ソンダク〈俗にドンタクと云西洋日曜日休業〉此処彼処」(出典西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初)
  4. 祭日祭礼。特に博多ドンタクをいう。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「当日は一にどんたくと称へ。福岡全市二萬戸の軒毎に提灯を点けて店頭を飾り」(出典:風俗画報‐二二四号(1901)諸国正月行事)

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改訂新版 世界大百科事典 「ドンタク」の意味・わかりやすい解説

どんたく

福岡市の祭礼行事。例年5月3,4日に行われる〈博多どんたく祭り〉で,オランダ語のZontag(休息日)から出たとも,〈松どのや松どのや〉と囃したことからつけられたともいう。古くは1月15日に行われ,松囃子と称した。室町時代の松囃子を習い伝えたものといわれ,今も豪華な傘鉾(かさぼこ)とともに伝統の福神,恵比須大黒稚児に扮した仮装風流(ふりゆう)の練りが祭りの中心となっている。しかしそのほかはまったく自由で,人々が思い思いの扮装で肥後囃子などもにぎやかに夜おそくまで練り歩く。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドンタク」の意味・わかりやすい解説

どんたく

オランダ語ゾンタークzontagの訛(なま)りで、日曜日、転じて休日を意味する。土曜日の半どんは、半どんたくの略。祭礼行事の名称にもなり、現在、5月3、4日に行われる福岡市の博多(はかた)どんたくにその名が残る。もと正月15日の松囃子(まつばやし)の行事であったが、明治以後「どんたく」の名に改められた。

[渡辺伸夫]


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百科事典マイペディア 「ドンタク」の意味・わかりやすい解説

どんたく

5月3〜4日に福岡市で行われる行事。〈博多どんたく〉とも,また港祭とあわせて〈松囃子(まつばやし)どんたく港祭〉とも呼ぶ。室町時代に始まる松囃子の民俗が残ったもので,3日,櫛田神社に松囃子が勢ぞろいして市内を練り歩き,仮装行列,踊屋台などが各町内から出てにぎわう。なお,どんたくはオランダ語のZontag(日曜日)の転化したもの。
→関連項目博多[区]福岡[市]

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