翻訳|Northampton
イギリス,イングランド中部,ミッドランド地方東部にあるノーサンプトンシャーの工業都市で州都。地名は〈北の主要村落〉の意で,イングランド南部のサウサンプトンと対をなす。人口19万7199(2001)。ノーサンプトン丘陵の東麓,ネン川北岸に位置し,周辺農業地帯の中心として製粉業や牛市が立地するが,最も著名なのは中世からの製靴業で,ジョン王は靴購入のためこの地を31回も訪れた。現在は機械工業もみられ,また北方のコービーでは鉄鉱石を産出する。アングル人の集落として成立後,デーン人が占領,要塞化した。1084年ごろ建設の城は,中世の重要な議会の舞台となり,とくにヘンリー2世が1164年にT.ベケットを反逆者として裁いたことは有名。1675年の大火で町の大部分が焼失したが,市内にはノルマン風のセント・ピーター教会や円形のセント・セプルカー教会が残り,またセントラル博物館は靴の収集で知られる。
執筆者:長谷川 孝治
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イギリス、イングランド中部、ノーサンプトンシャー県の県都。人口19万4477(2001)。9~10世紀にデーン人に占領された記録があり、1189年都市の資格を得た。中世には地方中心都市として栄え、1328年、スコットランドの独立を保障したノーサンプトン条約が当市で調印された。18世紀後半に製靴を主とする皮革工業の国内中心都市となり、いまも盛んだが、それは当地が牛市場の開催地であることと、皮革加工用タンニンを採取するカシの木が繁茂していたことによる。ほかに機械、醸造、電子部品などの工業が立地する。1675年大火にみまわれるが優れた都市計画に基づき再建され、小説家ダニエル・デフォーがその景観を褒めたたえた。イギリスに四つしかない円形教会の一つ、聖セパルチャー教会が残る。
[久保田武]
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