ピレア(読み)ぴれあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピレア」の意味・わかりやすい解説

ピレア
ぴれあ
[学] Pilea

イラクサ科(APG分類:イラクサ科)ピレア属の総称。一年草または多年草で、まれに低木状をなす。熱帯から温帯に約400種分布する。アサバソウP. cadierei Gagnep. et Guillauminはベトナム原産の半低木状草本。葉は多汁質で光沢があり、銀白色の斑(ふ)がある。日照不足にもよく耐え、小形種もある。ヌンムラリイフォリアP. nummulariifolia (Sw.) Wedd.は中南米原産の匍匐(ほふく)性多年草で、クリーピング・チャーリーcreeping charlieともいう。よく分枝して長く伸びるので、吊(つ)り鉢に向く。モリス・ムーンバレーP. mollis Wedd. cv. Moon valleyはコスタリカ原産。葉は縮緬(ちりめん)状の卵形、黄緑色で暗褐色の葉脈がある。ほかにメキシコミズP. serpyllifolia (Poir.) Wedd.やコメバコケミズP. microphylla (L.) Liebm.が栽培される。ミニ観葉種として利用し、繁殖は挿木による。

[高林成年 2019年12月13日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピレア」の意味・わかりやすい解説

ピレア
Pilea; richweed

イラクサ科の一年草または多年草属で,ミズ属属名であるが,園芸界では観葉植物として栽培される数種の外来種をこの名で呼ぶことが多い。この属は世界に約 200種,日本には約8種が知られ,山地の湿ったところに生える。葉は対生し,全縁または浅い鋸歯があり,普通3脈が明らかである。花は腋生集散花序につく。雌雄異花,いずれも単花被で,数個の花被片は離生またはほとんど離生する。日本に野生するものに,ミズ,アオミズ,ヤマミズなどがあり,また外来種のコメバコケミズ,メキシコミズなどは一種の観葉植物として花壇の縁どりや温室の棚下などに植えられる。

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