日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファドゥーツ」の意味・わかりやすい解説
ファドゥーツ
ふぁどぅーつ
Vaduz
中部ヨーロッパの小国リヒテンシュタイン公国の首都。人口5043(1999)、5668(2019推計)。西のスイスとの国境を流れるライン川の谷底平野(標高470メートル)と、ドライ・シュウェステルン山地の麓(ふもと)の扇状地(標高565メートル)にまたがる。周りはブドウ畑と果樹園で、ひときわ高く大公の居城が山腹に突出して、市の象徴となっている。首都とはいっても、農村的雰囲気をもつ町である。政府、議会、裁判所の所在地であるほか、綿紡績、機械部品などの工業と、ブドウ栽培を主とする農業および観光業が主要な経済活動である。宿泊設備は整っているが、通過観光客が多い。
[前島郁雄]