ヘラシギ(英語表記)Eurynorhynchus pygmeus; spoon-billed sandpiper

共同通信ニュース用語解説 「ヘラシギ」の解説

ヘラシギ

スズメよりやや大きい小型シギ一種国際自然保護連合(IUCN)や環境省のレッドリストで、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されている。鳥類では国の天然記念物のシマフクロウヤンバルクイナなどと同ランク。世界で保護の動きが広がっており、渡り性水鳥の保護を目的とする国際組織東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」に2009年、作業部会が設置された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘラシギ」の意味・わかりやすい解説

ヘラシギ
Eurynorhynchus pygmeus; spoon-billed sandpiper

チドリ目シギ科。全長 14~16cm。黒いは先が扁平で菱形状のへら先のように広がる。夏羽(→羽衣)は頭部から胸が赤褐色で,頭上や胸に不明瞭な黒い縦斑が散在する。背,雨覆羽は各羽の黒い中央部と淡い赤褐色の縁がまだら模様をつくっている。腹は白く,脚は黒い。冬羽では赤褐色の部位が灰褐色になる。ロシア北東端のチュクチ半島からカムチャツカ半島北部にかけての太平洋北部のかぎられた地方の沿岸で繁殖する。沿岸のツンドラの低木林などに巣をつくり,近くの河口干潟で昆虫や草の種子漿果(→液果)などを採食する。越冬地はバングラデシュからタイベトナム北部,ハイナン(海南)島にかけて不連続に分布する。越冬地では干潟や河口でゴカイ類やエビ,貝などを食べる。日本には渡りの途中に立ち寄るが,数は非常に少ない。トウネンハマシギなどの群れに交じって干潟や湿地,砂質の海岸などにすむ。(→渉禽類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘラシギ」の意味・わかりやすい解説

ヘラシギ
へらしぎ / 篦鷸
spoon-billed sandpiper
[学] Eurynorhynchus pygmeus

鳥綱チドリ目シギ科の鳥。東北シベリアの一部で繁殖し、冬は南へ渡る。日本には旅鳥として春と秋に渡来するが、その数は少なく、とくに春にはまれである。全長約15センチメートル、嘴(くちばし)の先はへら状に平たくなっている。夏羽は顔から胸、体の上面が赤褐色で腹部は白い。冬羽は頭部や体の上面が灰褐色で下面は白い。海岸や河口の干潟、干拓地の水たまりなどにすみ、活発に餌(えさ)である小形動物をあさる。トウネンの群中に、1羽から数羽でいることが多い。

[高野伸二]


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