日本大百科全書(ニッポニカ) 「マドバ」の意味・わかりやすい解説 マドバまどばMadhva(1197―1279) インドのベーダーンタ学派の哲学者で、ヒンドゥー教ビシュヌ派の一派マーダバ派の開祖。南インドのカンナダ地方の出身である。著作に、『ブラフマ・スートラ』の注釈、宗教詩『バガバッド・ギーター』や諸ウパニシャッドの注釈などがある。シャンカラ派の一元論を批判し、ブラフマン(梵(ぼん))と個我と物質は実在で、それぞれはっきり異なるとして、別異論を説いた。また、ブラフマンをビシュヌ神と同一視して、ビシュヌ信仰をベーダーンタ哲学で根拠づけ、神の直証(ちょくしょう)による解脱(げだつ)を説いた。[島 岩 2018年5月21日][参照項目] | シャンカラ | ビシュヌ派 | ベーダーンタ学派 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マドバ」の意味・わかりやすい解説 マドバMadhva [生]1199頃.マイソール,ウッディピー近郊[没]1278頃.マイソール,ウッディピー近郊インドの哲学者。多元論的実在論を説くベーダーンタ学徒。バラモンの子として生れた。主宰神はあらゆる美徳をそなえたビシュヌ神であり,独立しているが,その他の実在者である多数の個我も物質世界も主宰神に依存している。解脱はビシュヌ神の恩寵によって得られるものであり,そのための知識としてブラフマンの考察が必要であると説いた。約 37部の著書を残した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報