マブ

デジタル大辞泉 「マブ」の意味・読み・例文・類語

マブ(Mab)

天王星の第26衛星。1986年にボイジャー2号に撮影されたが気付かれず、2003年にハッブル宇宙望遠鏡で発見された。名の由来シェークスピアロミオとジュリエット」の登場人物。大きさは分かっていないが直径が10キロ前後と見られている。

まぶ

[名・形動]近世語
仕事などがうまくいくこと。また、そのさま。
「―な仕事があるゆゑに」〈伎・都鳥廓白浪
美しいこと。また、そのさま。
「面が―な子供はねえぜえ」〈洒・辰巳婦言
真実であること。本物であること。また、そのさま。
うそをとよ、ほんの事を―」〈洒・品川楊枝〉

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精選版 日本国語大辞典 「マブ」の意味・読み・例文・類語

まぶ

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( もと、芝居者、てきや、盗人仲間の隠語という )
  2. 仕事などが、うまくいくこと。上々(じょうじょう)であること。また、そのさま。上首尾。好都合。
    1. [初出の実例]「『仕事はどふぢゃ』『お頭(かしら)、気遣いなさるるなまぶまぶ』」(出典浄瑠璃・姫小松子日の遊(1757)三)
  3. 勝れていること。良いこと。美しいこと。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「爰の内も、めんがまぶな子供はねへゼヱ」(出典:洒落本・辰巳婦言(1798)四つ明)
  4. 真実であること。本物であること。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「座广の近辺は、大かた不嘘(マブ)な者なり」(出典:洒落本・秘事真告(1757頃)塩町東辺の相)

まぶの補助注記

語の成り立ちについては、( イ )前項「間府(まぶ)」がもとで、金の出てくる道などの連想から、( ロ )人のまわり合わせ、運などを意味する「まん(間)」と「ふ(符)」の合わさったもの、などとする説がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「マブ」の意味・わかりやすい解説

マブ
Mab

イギリスの民間伝承における妖精の女王。夢を支配し,妄想を産む妖精の産婆夢魔同種に扱われる。語源はウェールズ語のmab,maeve(子ども)に由来するとも,mabel(少年)の縮小されたものとも言われる。ケルト神話のコノート狡猾(こうかつ)な女王メブMebhから由来したという説もあり,ウルスター国との長い戦いは彼女のそそのかしによるという。妖精の女王としてティタニアとも混同されてくる。シェークスピアは《ロメオとジュリエット》のなかで,マブが眠っている人間の顔の上をハシバミの実の殻の車に乗って横ぎるとさまざまな夢になる,と言っている。人や馬の髪の毛をもつれさせると言われ(これは“妖精の髪”という),身体はケシ粒ほど小さい夢の妖精の女王として描かれている。ミルトンは《ラレグロ》(1631)のなかで〈妖精マブ〉,ベン・ジョンソンは《サティール》(1603)で〈妖精の女主人〉,シェリーは長詩《マブ女王》(1813)で〈呪術の女王〉とし,ヘリックは〈夢をつかさどる妖精女王〉としている。
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