日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルティネ」の意味・わかりやすい解説
マルティネ
まるてぃね
Henri Gilles Martinet
(1916―2006)
フランスのジャーナリスト、政治家。パリに生まれる。パリ大学文学部卒業後、アバス通信記者となりジャーナリストの道を歩む。人民戦線期には、共産主義学生同盟のパリ・グループの代表として活動したが、スターリンによる粛清裁判に抗議して、1938年フランス共産党を脱党。第二次世界大戦中はレジスタンスに参加し、非合法紙『反乱者』を編集した。戦後、フランス通信社編集長、『フランス・オプセルバトゥール』紙編集長を歴任し、『ヌーベル・オプセルバトゥール』『フェール』各紙にも携わる。政治家としては、統一社会党副書記長(1960~1967)を経て再生社会党に入党、社会党全国書記(1975~1978)として自主管理社会主義理論を展開、欧州議会のフランス代表議員(1979~1984)にも選ばれた。
[瓜生洋一]
『G・マルチネ著、熊田亨訳『五つの共産主義』上下(岩波新書)』▽『G・マルチネ著、熊田亨訳『七つの国の労働運動』上下(岩波新書)』▽『G・マルチネ著、佐藤紘毅訳『スターリン主義を語る』(岩波新書)』