ミチグリニドカルシウム水和物・ボグリボース配合剤(読み)ミチグリニドカルシウムスイワブツボグリボースハイゴウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

ミチグリニドカルシウム水和物・ボグリボース配合剤

製品名
グルベス(キッセイ薬品工業

 速効型インスリン分泌促進剤のミチグリニドカルシウム水和物とαアルファグルコシダーゼ阻害剤のボグリボースという異なる作用機序をもつ2種の経口血糖降下剤の配合剤で、併用による血糖低下作用と治療効率の向上を期待した薬です。ただし、糖尿病治療の第一選択薬ではなく、併用による治療が適切と判断される場合に限って用いられます。


①もっとも注意しなければならないのは低血糖(脱力感、冷や汗、ふるえ、空腹感、めまい動悸どうきなど)です。このような症状があるときは、必ず医師の診察を受けてください。


 そのほか、過敏症(かゆみや発疹ほっしんなど)、心筋梗塞しんきんこうそく腸閉塞劇症肝炎、肝機能障害、黄疸おうだん、意識障害がおこることがあります。このような症状が現れたら、使用を中止してただちに医師に相談してください。


②口の渇き、胸やけ放屁ほうひ増加、味覚異常、食欲不振、湿疹、頭痛、めまい、肝機能異常、心拡大、倦怠感けんたいかんなどがおこることがあります。このような症状が現れたら、医師に相談してください。


錠剤で、1回1錠を1日3回、毎食直前(5分以内)に服用します。指示された服用方法を必ず守ってください。


重症ケトーシス、糖尿病性昏睡こんすいまたは前昏睡、1型糖尿病のある人、重症感染症、手術前後、重症の外傷のある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、この薬の成分に対して過敏症の既往歴のある人は使用できません。


 肝・腎機能障害のある人、虚血性心疾患のある人、開腹手術・腸閉塞の既往歴がある人、消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の人、ロエムヘルド症候群、重度ヘルニア大腸狭窄潰瘍のある人、脳下垂体機能不全、副腎機能不全のある人、下痢嘔吐おうとなど胃腸障害のある人、栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の人、激しい運動をしている人、大量飲酒者、高齢者、他の糖尿病薬を使用中の人などは、医師に相談してから用いてください。


③指示された食事療法や運動療法はきちんと続けてください。


④低血糖をおこすことがあるので、自動車運転や高所作業にたずさわる人は医師に相談してください。


⑤この薬を服用中に他の薬を使用する必要が生じた場合は必ず医師に相談してください。


サリチル酸系解熱鎮痛剤βブロッカー製剤蛋白同化ステロイド剤、糖尿病治療剤、テトラサイクリン系抗生物質モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤などと併用すると、血糖降下剤の効果が過剰になって、低血糖がおこりやすくなることがあります。


 また、副腎皮質ホルモン剤卵胞ホルモン剤利尿剤抗結核剤イソニアジド系製剤フェノチアジン系の抗精神病剤、ニコチン酸系の薬などと併用すると、血糖降下剤の作用が弱まることがあります。


 シメチジン製剤、ドルテグラビル製剤、バンデタニブ製剤と併用するとこの薬の作用が増強することがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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