ミドルズブラ(その他表記)Middlesbrough

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミドルズブラ」の意味・わかりやすい解説

ミドルズブラ
Middlesbrough

イギリスイングランド北東部の都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。旧ヨークシャー県に属する。1974年の自治体再編でクリーブランド県の一部となり,1996年に単一自治体となった。ロンドンの北北西約 350km,北海に注ぐティーズ川の最下流部右岸に位置する。19世紀初めまでは一寒村にすぎなかったが,イギリスの鉄道王,ジョセフ・ピーズが 1829年ここに土地を購入し,ティーズ川左岸のストックトンオンティーズと対抗すべく,石炭積出港を建設してから発展し始め,1830年にはストックトンオンティーズ―ダーリントン間の鉄道がここまで延長された。1850年代に南のクリーブランド丘陵で鉄鉱床が発見されてから工業発展が始まり,1856年までに 31の溶鉱炉が設けられた。鉄鋼業を中心とした重工業都市で,ほか造船機械化学などの工業があるが,近年工業活動の中心はティーズ川河口のほうへ移動し,石油精製工場,石油化学工場などが立地する。工科大学考古学・科学博物館,美術館などの教育・文化施設もある。面積 54km2。人口 13万4855(2005推計)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ミドルズブラ」の意味・わかりやすい解説

ミドルズブラ
Middlesbrough

イギリス,イングランド北東部,クリーブランド州にある重工業都市で州都地名は〈最も中央にある城塞〉の意。人口13万9000(2003)。ティーズ川下流南岸に位置する。12世紀には小修道院があったが,ヘンリー8世の修道院解散で破壊され,1801年には人口わずか25人の小村であった。しかしダーリントン~ストックトン間の鉄道が1830年にここまで延長されて港湾として重要になり,また南方のクリーブランド丘陵で鉄鉱石北方のダラム州で石炭が開発されたため,一躍鉄鋼業の中心地となった。1853年には自治都市となり,整然とした都市計画が実施された。19世紀からの鉄鋼,造船業のほか,最近は北海油田のパイプライン基地となって化学工業も発展し,ティーズサイド工業地域を形成している。クリーブランド鉄山の閉鎖により,現在,鉄鉱石はスウェーデンなどからの輸入に依存している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミドルズブラ」の意味・わかりやすい解説

ミドルズブラ
みどるずぶら
Middlesbrough

イギリス、イングランド北東部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の都市。人口13万4847(2001)。ティーズ川河口の三角江に臨む港町で、商工業都市。ティーズ川下流平野部の中心都市でもある。1830年ストックトン―ダーリントン間の鉄道が延長されて石炭積出し港になり、発展の緒についた。南ダーラム地方の石炭・コークスとクリーブランド丘陵の鉄鉱石を結び付け、1850年製鉄所が建設され、急速に工業都市へと変貌(へんぼう)した。1830年には人口わずか40人の寒村であったが、40年後に4万の都市となった。現在、国内有数の製鉄都市で、化学工業、造船業も立地する。

[久保田武]

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百科事典マイペディア 「ミドルズブラ」の意味・わかりやすい解説

ミドルズブラ

英国,イングランド北東部,クリーブランド州の州都である重工業都市。ティーズ川河口に臨み,南方クリーブランド丘陵の鉄鉱石を基礎に製鉄・製鋼業が発展。ほかに機械,化学などの工業もあり,整然とした計画都市である。北海油田のパイプライン基地であり,周辺地域とティーズサイド工業地域を形成している。13万8412人(2011)。

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