ヨウ化ナトリウム(読み)ようかなとりうむ(英語表記)sodium iodide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨウ化ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウ化ナトリウム
ようかなとりうむ
sodium iodide

ナトリウムヨウ素化合物ヨウ化水素のナトリウム塩である。ヨウ化カリウムと同様に、ヨウ素を鉄粉に作用させて得られる八ヨウ化三鉄を炭酸ナトリウムで処理して製造される。また、ヨウ素を水酸化ナトリウム加熱反応させて得ることもできる。無水和物は無色の潮解性の結晶。水によく溶け、エタノールエチルアルコール)、メタノールメチルアルコール)、アセトンなどにも溶ける。水溶液から65℃以上では無水和物が、65℃以下では二水和物が結晶する。零下13.5~31.5℃では五水和物となる。医薬品としてヨウ化カリウムと同様に用いられるが、毒性は少ない。

[鳥居泰男]


ヨウ化ナトリウム(データノート)
ようかなとりうむでーたのーと

ヨウ化ナトリウム
NaI
式量149.9
融点651℃
沸点1300℃
比重3.667(測定温度0℃)
結晶系立方
屈折率(n) 1.7745
溶解度158.7g/100g(水0℃)
43g/100g(エタノール23℃)
73g/100g(メタノール23℃)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨウ化ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

ヨウ化ナトリウム
ヨウかナトリウム
sodium iodide

化学式 NaI 。無色の潮解性結晶。空気中に放置するとヨウ素が遊離するため褐色となる。比重 3.67,融点 651℃,沸点 1300℃。水溶液からは 65℃以上で無水塩,-13℃~65℃で2水塩が析出する。医薬,分析試薬として用いられるほか,タリウムで活性化した単結晶はγ線用シンチレータとして重要である。

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