ラント平和令(読み)ラントへいわれい(英語表記)Landfriedensgesetz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラント平和令」の意味・わかりやすい解説

ラント平和令
ラントへいわれい
Landfriedensgesetz

中世ヨーロッパ,特にドイツでの領域内の平和 (治安) 維持のための協定ないし法律。領域に応じて地方ラント平和令と帝国ラント平和令とがあるが,重要なのは後者である。帝国ラント平和令は神の平和,神の休戦の制度にならい制定されたもので,フェーデ (私闘) の制限ないし禁止規定,裁判による和解の強制,違反者に対する刑事的制裁規定を含み,中世社会の刑事法制および国制の発達に大きな影響を与えた。主要なものに最初の帝国ラント平和令であるハインリヒ4世の平和令 (1103) ,フリードリヒ2世の2つの大平和令 (1235) ,特に最後の平和令であるマクシミリアン1世永久平和令 (1495) はフェーデを全面的かつ永久的に禁止したものとして知られる。

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