ルンペンプロレタリアート(読み)るんぺんぷろれたりあーと(その他表記)Lumpenproletariat ドイツ語

デジタル大辞泉 の解説

ルンペンプロレタリアート(〈ドイツ〉Lumpenproletariat)

資本主義社会の最底辺に位置する浮浪的な貧民層。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

ルンペン‐プロレタリアート

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Lumpenproletariat ) 長期失業・貧困によって労働意欲を喪失して労働者階級から脱落し、心身ともに疲弊した極貧層。
    1. [初出の実例]「都市貧民は最下層の小ブルジョアジー及びルンペンプロレタリアートである」(出典:明治維新の革命及び反革命(1933)〈服部之総〉一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルンペン・プロレタリアート
るんぺんぷろれたりあーと
Lumpenproletariat ドイツ語

資本主義社会の最底辺に沈殿する浮浪的な貧民層をいう。彼らはほとんど仕事につかず、就業の意思ももたず、定住の場所ももたず、ごみあさり、物ごい、ときには犯罪、売春などでその日の糧(かて)を得る。労働の意欲も能力も喪失しているのであるから、失業者とは異なる。長期にわたる失業、疾病などで相対的過剰人口からも落ちこぼれた層である。働く人間としての規律も誇りも失っており、もはやプロレタリアート一群とはいえない。権力をわがものにしようとする政治家は、しばしば彼らに金銭、酒類を与えて反動的運動に動員し、社会の騒乱状態をつくりだして、その機に乗ずる。このようなときに彼らは歴史に登場して、独裁体制形成の一要素となる。社会保障制度の拡充によってルンペン・プロレタリアートは減少していくが、資本主義社会の矛盾が消滅しない限り、彼らも社会の底辺のどこかに生存し続ける。

[元島邦夫]

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百科事典マイペディア の解説

ルンペンプロレタリアート

ドイツ語Lumpenproletariat。Lumpenは〈ぼろくず〉の意。マルクス主義用語プロレタリアートとは区別して用いられ,生産的労働に就かない浮浪者犯罪者などをさす。マルクスによれば,彼らは支配階級によって容易に買収され,プロレタリアートの運動の高揚に対して反動的役割を果たすことが多いとされる。

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