ワイルズ(その他表記)Wiles, Andrew John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイルズ」の意味・わかりやすい解説

ワイルズ
Wiles, Andrew John

[生]1953.4.11. ケンブリッジ
イギリスの数学者。1974年にオックスフォード大学マートン・カレッジを卒業,1980年にケンブリッジ大学クレア・カレッジで博士号を取得。ハーバード大学などを経て 1982年からプリンストン大学教授。フェルマの最終定理証明した業績により,1998年に国際数学連合から特別賞を授与された(年齢制限によりフィールズ賞の対象にならなかった)。ほかにも整数論において,ブライアン・バーチとピーター・スウィンナートン=ダイアーによるバーチ・スウィンナートン=ダイアー予想や,岩澤健吉による岩澤理論の主予想など,顕著な業績を上げた。フェルマの最終定理とは,方程式 xnynznn>2 を満たす整数 n に対して,正の整数解をもたないというものである。ワイルズの証明は,ゲルハルト・フライ,バリー・メイザー,ケネス・リベット,カール・ルービン,ジャン=ピエールセールらの業績を基礎にしたものであり,楕円曲線に関する谷山豊,志村五郎アンドレベイユによる予想を解決することに本質があった。ワイルズの結論は,1993年6月にケンブリッジにおける「保型形式,楕円曲線およびガロア表現」と題する講演で発表された。その後リチャード・テーラーとの共同研究で 1995年に修正が加えられ,より完全な証明が与えられて論文が出版された。ワイルズはこの業績により 1995~96年のウルフ賞を受賞した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ワイルズ」の解説

ワイルズ Wildes, Harry Emerson

1890-? アメリカ作家,日本研究家。
1890年4月3日生まれ。大正13-14年慶大で経済学をおしえる。第二次大戦中は戦時情報局につとめ,終戦後,GHQ民政局で憲法起草作業などにくわわった。のちGHQ民間歴史局社会・政治課長。著作占領下の日本をえがいた「東京旋風」がある。デラウェア州出身。ハーバード大卒。

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