ワグナー(読み)わぐなー(英語表記)John Peter Wagner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワグナー」の意味・わかりやすい解説

ワグナー
わぐなー
John Peter Wagner
(1874―1955)

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のルイビル・コロネルズ、ピッツバーグ・パイレーツでおもに遊撃手としてプレー。19世紀後半から20世紀初頭に活躍し、首位打者を8回獲得した大打者である。1917年にはパイレーツで監督も務めた。

 2月24日、ペンシルベニア州チャーティアーズで生まれる。1897年、コロネルズに入団。1999年限りで同球団がナショナル・リーグから脱退すると、他の14選手とともにパイレーツに加入した。新天地1年目の1900年に、打率3割8分1厘で首位打者を獲得。1901年と02年は2年連続して打点王と盗塁王になった。1903年と04年、そして06年から4年連続して首位打者を獲得。この間、1904年、07年、08年には盗塁王となり、08年と09年は打点王との二冠王であった。1903年と09年にはワールド・シリーズに出場、09年は同シリーズを制した。さらに、1911年に首位打者を獲得し、12年は打点王となった。1913年の3割ちょうどを最後に、打率は2割台に低迷するようになり、1917年限りで引退。現役最終年は、5試合だけ監督として采配(さいはい)も振るった。1933年から51年までは、古巣パイレーツでコーチとして後進指導にあたった。

 選手としての21年間の通算成績は、出場試合2792、安打3415、打率3割2分7厘、本塁打101、打点1732。獲得したおもなタイトルは、首位打者8回、最多安打2回、打点王5回、盗塁王5回。1936年に野球殿堂入り。

[山下 健]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワグナー」の意味・わかりやすい解説

ワグナー
Wagner, Honus

[生]1874.2.24. ペンシルバニア,マンスフィールド
[没]1955.12.6. ペンシルバニア,カーネギー
アメリカ合衆国のプロ野球選手。本名 John Peter Wagner。大リーグ史上最高の遊撃手といわれている。 1897~99年ルイビル・カーネルズ,1900~17年ピッツバーグ・パイレーツに所属。「フライング・ダッチマン」の愛称をもち,パイレーツ時代にナショナルリーグの首位打者に8回,盗塁王に5回輝いた。引退までの 21年間の通算打率は3割2分7厘 (別集計によると3割2分9厘) ,安打数は 3415 (同 3430) ,盗塁数は 722。また,通算の三塁打数 252はナショナルリーグ最多記録。野球殿堂開設を控えた 1936年,最初の殿堂入りを果たした5選手のうちの一人に選ばれた。

ワグナー
Wagner, Robert Ferdinand

[生]1877.6.8. ナシュタッテン
[没]1953.5.5. ニューヨーク
ドイツ生れのアメリカの政治家少年時代渡米ニューヨーク州政界に入り,1926年連邦上院議員に当選。 1930年代に全国労働関係法 (ワグナー法 ) や社会保障法など,ニューディールの重要な社会改革立法の制定に重要な役割を演じた。

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