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アクリジン アクリジンacridine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アクリジン
acridine

コールタールから取出される淡黄色の結晶。蒸気は刺激性。融点 110~111℃,沸点 345~346℃,冷水 20kgに 1g溶け,青色のケイ光を発する。有機溶媒によく溶ける。コールタールの脱晶アントラセン油から分離するか,アントラニル酸カルシウムの加熱によって工業的に生産され,精製は昇華性を利用して行う。水素供与性有機溶媒中で,紫外線により還元されるが,酸,アルカリには比較的安定。アクリジン系染料や医薬品の有機合成原料,生体組織の部分染着試薬に用いられる。チオシアン酸イオンの存在で不溶性の塩をつくるので,チオシアン酸イオンの分析試薬としても用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

アクリジン

化学式はC13H9N。無色の結晶。コールタール中に少量含まれる。融点110〜111℃,沸点345〜346℃。溶液は青色の蛍光を示す。水に難溶,有機溶媒に易溶。

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世界大百科事典 第2版の解説

アクリジン【acridine】

ジベンゾピリジンまたは10‐アゾアントラセンに相当する化合物。コールタール中に存在し,昇華性(100℃以上)のある結晶性のよい淡黄色の固体で,融点111℃,沸点345~346℃。水には溶けにくいが,アルコール,エーテル,炭化水素,二硫化炭素などによく溶け,溶液は紫または緑色の強い蛍光を発する。蒸気は皮膚,鼻やのどなどの粘膜に強い刺激性をもつ。かなり安定な化合物で熱硫酸,水酸化カリウムとは反応しないが,紫外線照射による二量化や,酸化・還元反応,付加反応,ニトロ化や臭素化などの置換反応が知られている。

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大辞林 第三版の解説

アクリジン【acridine】

アントラセンに似た窒素化合物。化学式 C13H9N コールタール中に存在し、特異臭のある結晶。誘導体に生物活性をもったものが多い。染料・抗マラリヤ剤・駆虫剤・消毒剤などの原料となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アクリジン
あくりじん
acridine

環内に窒素原子を含む複素環式芳香族化合物の一つ。コールタールから得られるアントラセン油中に少量存在する。実験室ではアクリドンの還元やジフェニルアミン-2-カルバルデヒドの環化により調製できるが、工業的にはアントラニル酸カルシウムを加熱したのち水素気流中で亜鉛末を作用させて製造する。淡黄色の結晶で、蒸気は皮膚や粘膜を刺激し、吸入すると咳(せき)、くしゃみが出る。また、発癌性(はつがんせい)が疑われている。水にはわずかしか溶けないが、多くの有機溶媒にはよく溶ける。水溶液は青色の蛍光を発する。弱い塩基性をもつ。化学的に安定な物質で、強い酸や強いアルカリと高温で処理しても変化しない。
 アクリジンイエローやアクリジンオレンジなどの染料、アクリノールなどの殺菌剤、医薬品はこの化合物の誘導体である。[廣田 穰]

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世界大百科事典内のアクリジンの言及

【殺菌剤】より

…(9)色素類その他 色素が殺菌効果を有することは早くから知られていた。P.エールリヒはアクリジンの抗トリパノソーマ作用を発見したが,アクリジンはアクリノールの母体であって,これがアクリノール発見の端緒となった。アクリノールは水に溶けないため乳酸塩にしてから,創傷殺菌剤としてガーゼなどに浸して使用する。…

※「アクリジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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