アクリルアミド(読み)あくりるあみど(英語表記)Acrylamide

デジタル大辞泉 「アクリルアミド」の意味・読み・例文・類語

アクリル‐アミド(acrylic amide)

アクリロニトリル加水分解などによって得られる無色結晶重合体接着剤塗料合成繊維に用いる。発癌性はつがんせいをもつとされ、日本では劇物指定炭水化物アミノ酸を多く含む食品高温調理すると生成することが知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「アクリルアミド」の意味・読み・例文・類語

アクリル‐アミド

〘名〙 (acryl amide) アクリロニトリルの加水分解などによって得られる無色の結晶。重合体は接着剤、塗料、合成繊維に用いられる。

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化学辞典 第2版 「アクリルアミド」の解説

アクリルアミド
アクリルアミド
acrylamide

propenamide.C3H5NO(71.08).CH2=CHCONH2アクリロニトリル硫酸または塩酸で処理するか,塩化アクリロイルにアンモニアを反応させることによって得られる.融点85.5 ℃,沸点87 ℃(267 Pa).1.127.水,メタノール,エタノールアセトン酢酸エチルに可溶.光,熱により重合しやすいので,冷暗所に保存する.重合方法により水に不溶のポリマーも水溶性ポリマーも合成できる.ポリマーは,接着剤,分散剤,紙や繊維などの仕上げ剤,塗料,凝集沈殿促進剤などに用いられる.アクリルアミド単量体は毒性が強く,皮膚からも吸収され,中枢神経麻ひ症状を引き起こす.LD50 170 mg/kg(マウス経口).[CAS 79-06-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

知恵蔵mini 「アクリルアミド」の解説

アクリルアミド

イモのような炭水化物を多く含む上に、糖類・アミノ酸を豊富に含む食材を高温で調理すると発生する化学物質。日本では劇物に指定されている。同物質については2002年以降、海外で動物実験の結果から発がん性が指摘されている。14年10月、スウェーデン食品安全委員会化学物質・汚染物質専門調査会は加熱時に生じるアクリルアミドについて、正式に遺伝毒性を有する発がん物質であると判断している。内閣府食品安全委員会の作業部会は日本人の食生活での同物質のリスクを5年にわたり検討し、「できるだけ摂取量を減らす必要がある」とする報告書案を16年2月にまとめた。食品安全委員会によると、日本人は油で揚げたジャガイモや炒めたもやしなど野菜からの摂取が多く、長時間、高温で揚げるなどをしないこと、野菜を調理前に水にさらすなどすることなどで、アクリルアミドの摂取量を減らすことができるとしている。

(2016-2-4)

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