アクリル酸(読み)アクリルさん(英語表記)acrylic acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アクリル酸
アクリルさん
acrylic acid

ビニルギ酸ともいう。化学式 CH2=CHCOOH 。有機合成原料およびポリアクリル酸,ポリアクリル酸エステルなど重要な高分子化合物の出発原料である。工業的には,プロピレンの空気酸化によりアクロレインを経て製造される。またアセチレン一酸化炭素と水から,テトラカルボニルニッケルを触媒としてつくられる (レッペ法) 。アクロレインの酸化,アクリロニトリル加水分解によっても得られる。酢酸に似た刺激臭のある無色の液体で,水および多種の有機溶剤可溶である。融点 13℃,沸点 141℃。アクリル酸のメチルエステルやエチルエステルは重合を経て合成樹脂として利用される。特にエステルの重合体接着剤その他に利用される。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アクリル酸

刺激臭のある液体化学物質。アクリル樹脂などの原料となる。引火点が低く、化学反応などによって火災や爆発を生じることがあるため、消防法では、取り扱いを規制する「危険物」に指定している。吸い込めば人体にも影響があり、取り扱いには注意が必要とされる。

(2012-09-30 朝日新聞 朝刊 1社会)

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百科事典マイペディアの解説

アクリル酸【アクリルさん】

化学式はCH2=CHCOOH。刺激臭のある無色の液体。融点14℃,沸点141℃。酸およびそのエステルはアクリル樹脂などの高分子物質の原料として重要。かつてはアセチレンと一酸化炭素からニッケルカルボニルを触媒として合成されたが,現在はモリブデン‐ビスマス系触媒によりプロピレンを直接空気酸化して合成。
→関連項目アクロレイン

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世界大百科事典 第2版の解説

アクリルさん【アクリル酸 acrylic acid】

最も簡単な不飽和カルボン酸。化学式CH2=CHCOOH,融点14℃,沸点141℃,比重1.051。酢酸に似た刺激臭のある液体で,水,アルコールと任意の割合で混じり合う。非常に重合しやすいため,重合禁止剤としてヒドロキノンを500ppm程度加えて貯蔵する。 実験室的にはアクロレインの酸化,アクリロニトリルやアクリル酸エステルの加水分解などで合成される。工業的には,ニッケル鎖体を触媒とするアセチレンのカルボニル化反応よるか,エチレンオキシドシアン化水素の反応で得られるエチレンシアンヒドリンの脱水と加水分解によって製造される。

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大辞林 第三版の解説

アクリルさん【アクリル酸】

アクリルアルデヒド(アクロレイン)の酸化などによって得られる強い刺激臭のある液体。化学式 CH2=CHCOOH 水・アルコールに溶け、空気中で容易に重合する。工業的にはプロペン(プロピレン)の直接酸化、またはアセチレンのレッペ反応によって製造される。アクリル樹脂の原料。ビニルギ酸。プロペン酸。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アクリル酸
あくりるさん
acrylic acid

代表的な不飽和カルボン酸。プロペン酸ともいう。
 クロロプロピオン酸の脱塩化水素、ヒドロキシプロピオン酸の脱水により調製できる。工業的には、石油から得られるプロピレンを原料として、アクリルアルデヒドを経る2段階の酸化により製造されている。この酸化反応は酸化剤として空気を用い、触媒にモリブデン系化合物を用いる。プロピレンからアクリル酸を1段階でつくる製造法もある。
 酢酸に似たにおいのする液体で、水とは任意の割合で混じり合う。毒性が強く、重合しやすい。単独で重合させるとポリアクリル酸になり、増稠(ぞうちょう)剤、紙加工用粘結剤などに用いられる。架橋を含むポリアクリル酸ナトリウムは吸水性が強いので、紙おむつなどに用いる。[廣田 穰]

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精選版 日本国語大辞典の解説

アクリル‐さん【アクリル酸】

〘名〙 化学式 CH2=CHCOOH 水に可溶の刺激臭を持つ液体。水溶性重合体の原料、有機合成原料として用いる。アクリル酸エステル重合体は塗料、接着剤、電気絶縁材料などに用いられる。

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