アフォリズム(英語表記)aphorism

翻訳|aphorism

デジタル大辞泉 「アフォリズム」の意味・読み・例文・類語

アフォリズム(aphorism)

物事の真実を簡潔に鋭く表現した語句。警句。金言。箴言しんげん
[類語]名言警句

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精選版 日本国語大辞典 「アフォリズム」の意味・読み・例文・類語

アフォリズム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] aphorism ) 短いが深い思考による真理を含ませた言葉。たとえば、ヒポクラテスの「芸術は長く、人生は短し」の類。格言。箴言(しんげん)。警句。
    1. [初出の実例]「頓智や警句(アフォリズム)お茶を濁して生涯何もせずに仕舞ふ者は」(出典煤煙(1909)〈森田草平〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「アフォリズム」の意味・わかりやすい解説

アフォリズム
aphorism

文学形式の一つで,思考や観察の結果を簡潔な形で,皮肉に,しんらつに,諧謔的に述べたもの。警句あるいは箴言,金言,格言などと訳される。〈分離する〉を意味するギリシア語aphorizeinを語源とし,ヒッポクラテスが医学上の処方を記した《アフォリスモイ》に始まる。元来,実用的な指示や助言を伝える,それぞれが〈分離した〉簡明な文言を指していたが,ルネサンスのころより人間の性格や処世上の教訓を述べる際にも用いられるようになった。文学形式として定まったのは,パスカルの《パンセ》,ラ・ロシュフーコーの《箴言》などが出た17世紀以後である。知性に加えて鋭い言語感覚を備えた思想家,作家,詩人たちがこの形式を愛好した。フランスのモラリストたち,ドイツ・ロマン派のほか,F.ベーコン,グラシアンリヒテンベルク,ショーペンハウアー,ニーチェ,K.クラウスらが著名である。日本の近代文学では芥川竜之介の《侏儒の言葉》,萩原朔太郎の《虚妄の正義》などを挙げることができる。
エピグラム
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフォリズム」の意味・わかりやすい解説

アフォリズム
あふぉりずむ
aphorism

警句、箴言(しんげん)、金言。語源であるギリシア語のaphorismosは定義の意味で、ギリシアの医学者ヒポクラテスが、病気の診断、治療法を簡潔に述べたものをアフォリズムと初めてよんだ。有名な例は「人生は短く、人為は長く、機会は逃げやすく、実験は危険を伴い、論証はむずかしい。医師は正しと思うことをなすだけでなく、患者や看護人や外的状況に助けられることが必要である」であり、後世、始めの部分だけを普遍的な警句「芸術は長く、人生は短し」と改変したのである。こうしてアフォリズムは簡潔要を得た表現で人生の機微を写すものとなり、エピグラムや格言(プロバーブ)とさして変わらぬものとなった。しかし、言い伝えられてきた諺(ことわざ)や処世訓と異なり、作者独自の個性的な機知に富んだ表現であって、フランスのモラリストに愛好され、ラ・ロシュフコーやラ・ブリュイエールらによって優れた作品が生まれた。日本でも芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の『侏儒(しゅじゅ)の言葉』がよい例といえる。

[船戸英夫]

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知恵蔵mini 「アフォリズム」の解説

アフォリズム

人生・社会などの真髄を簡潔に言い表した言葉。日本で言う「格言」のことで、金言、警句、箴言も含まれる。偉人、宗教者、聖人などが残した言葉を指す場合が多く、庶民生活から生まれた「ことわざ」とは異なる。具体例として「多くのことを中途半端に知るよりは何も知らないほうがいい」(ニーチェ)、「悲しんでいる人々は幸いである」(イエス・キリスト)、「花を与えるのは自然。編んで花輪にするのは芸術」(ゲーテ)など。

(2013-5-16)

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百科事典マイペディア 「アフォリズム」の意味・わかりやすい解説

アフォリズム

ある問題についての思考や観察を簡潔にまとめた格言風の文。警句,箴言。文学の形式としてはパスカルの《パンセ》などによって17世紀以降定まった。一般に普及したものが諺(ことわざ)といえる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフォリズム」の意味・わかりやすい解説

アフォリズム
aphorism

金言,格言。初めはギリシア語の語源に従って理論や原理の「定義」の意味に用いられたが,のちには原則や一般に受入れられた真理を端的な言葉で表わしたものをいう。ヒポクラテスが最初に用い,「術は長く生は短し」 Ars longa,vita brevis.はその一例。

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