アミグダリン(読み)あみぐだりんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミグダリン」の意味・わかりやすい解説

アミグダリン(データノート)
あみぐだりんでーたのーと

アミグダリン
分子式C20H27O11N
分子量457.44
融点214~216℃(三水和物の場合)
沸点

アミグダリン
あみぐだりん
amygdalin

アルデヒド誘導体の一つで、ベンズアルデヒドシアンヒドリン配糖体として植物界に広く分布している。

 イランシリア原産であり、北アフリカ、南フランス、北米カリフォルニア地方で栽培されているクヘントウジュ(苦扁桃樹)の成熟した果実中にみいだされる。この物質は酵素エムルジンによって加水分解されて、2モルのブドウ糖と1モルの右旋性ベンズアルデヒドシアンヒドリンとなり、後者はさらにベンズアルデヒドとシアン化水素青酸)とに分解する。ベンズアルデヒドはクヘントウ油、カシア油などの精油の主成分である。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミグダリン」の意味・わかりやすい解説

アミグダリン
amygdalin

アンズモモの成熟種子や,苦扁桃 (ビターアーモンドともいう) に含まれる化合物。無色結晶,融点 214~216℃。シアン配糖体一種で,酵素エムルシンまたは塩酸作用加水分解を受け,ベンズアルデヒド,グルコース,シアン化水素 (猛毒) を生じるので危険である。苦みが強い。

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