2001年9月の米中枢同時テロを首謀したビンラディン容疑者が1988年、アフガンを拠点に設立した国際テロ組織。米国とその同盟国などを攻撃対象とした。世界各国のゲリラ兵を訓練する軍事部門には最大約5千人がいたが、米軍による掃討作戦で数百人まで減少。ビンラディン容疑者は2011年にパキスタンで米軍に殺害され、副官だったザワヒリ容疑者が後継指導者に就いた。2人ともイスラム主義組織タリバンに忠誠を誓っていた。(共同)
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中東、アフリカを中心に活動するイスラム原理主義に基づく国際テロ組織。「反欧米」「反西洋文明」「反イスラエル」「反キリスト教」などの思想を掲げ、聖戦(ジハード)の名のもとに、テロ活動を繰り返している。アルカイダは「基地」「基盤」を意味するアラビア語で、「アル・カイーダ」「アルカエダ」などといわれることもある。2001年のアメリカ同時多発テロのほか、1993年のニューヨーク世界貿易センタービル爆破事件や1998年のケニアとタンザニアにおけるアメリカ大使館爆破事件など、数多くのテロに関与したとされる。アメリカ同時多発テロの首謀者とされる最高指導者ビンラディンが2011年にアメリカ海軍特殊部隊の攻撃で死亡した後、エジプト人のイスラム神学者、アイマン・アル・ザワヒリAyman al Zawahiri(1951―2022)が指導者についた。
1979年、ソ連(当時)のアフガニスタン侵攻に対抗したアラブ諸国の義勇兵(ムジャヒディン)の組織を母体とし、ビンラディンの指導のもと、1980年代後半にアフガニスタンで結成された。その後、活動の場をパキスタンやスーダンへ、また欧米のイスラム教徒から支持を得て世界各国に組織を広げた。2001年のアメリカによるアフガニスタン攻撃で、有力指導者が死亡するなどの打撃を受けて弱体化したが、メンバーが分散する結果となり、世界各地でアルカイダの犯行とうかがえる爆破事件などが起きている。
2010年末に始まった中東の民主化運動「アラブの春」以降は、政府の治安維持機能が低下した紛争国に、アルカイダ系武装勢力が入り込んで活動を始めた。イエメンの「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」、アルジェリアなどを拠点にサハラ砂漠周辺国で活動する「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」、イラクの「イラクのアルカイダ(AQI)」などの指導者やメンバーの一部はアルカイダで軍事訓練を受けたとみられており、アルカイダと密接な関係があるとされている。
[編集部]
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(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)
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