アンチピリン(英語表記)antipyrine

翻訳|antipyrine

百科事典マイペディアの解説

解熱・鎮痛・鎮静薬。フェナゾンとも。呼吸器系熱性疾患,頭痛,リウマチ,月経痛などに用いる。特異体質の人では発疹等の副作用があるので使用には注意を要する。劇薬。(図)
→関連項目副作用薬疹

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世界大百科事典 第2版の解説

アミノピリンよりはいくらか弱いながらも比較的に強い解熱鎮痛作用をもち,19世紀の終りころからわりあいに近ごろまで広く使用されてきた薬物。アミノピリンと同じく,ピラゾロン誘導体,いわゆる〈ピリン系〉薬剤で,現在ではその使用は急速に低下しアスピリンのほうに比重が移っている。分子の化学構造からみてアミノピリンとよく似ているが,アミノピリンでみられるような致命的な副作用,すなわち無顆粒球症が誘発される危険はいちおうないものとされており,またアスピリンでみられるような消化性潰瘍の副作用もないが,ピリン疹の名で知られる皮膚の発疹をおこすことが類似の薬物のなかでは最も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

解熱・鎮痛剤。1884年ドイツで創製され、ヘキスト社より発売された。ピリン剤の原形で、わずかに苦味を有する無臭の白色結晶性粉末。副作用として発疹(ほっしん)や発赤(ほっせき)などの過敏症状をはじめ、悪心、嘔吐(おうと)、食欲不振、血液障害、肝障害、腎(じん)障害がまれにみられる。この副作用を緩和し、効力の増強を図ったのがアミノピリン、イソプロピルアンチピリン、スルピリンであり、現在ではアミノピリンと同様、あまり使われていない。劇薬で、常用量は1回0.3グラム、1日0.6グラム、極量は1回1グラム、1日3グラムである。

[幸保文治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (antipyrine) 解熱・鎮痛・鎮痙(ちんけい)薬。フェニルヒドラジンにアセト酢酸エステルを加え、クロルメチルを用い、メチル化して作った白色の結晶性粉末。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「葛根湯がアンチピリンに化けるかも知れない」

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世界大百科事典内のアンチピリンの言及

【解熱鎮痛薬】より

…副作用としては消化管障害が比較的重要である。
[アニリン系,ピラゾロン系]
 アニリン系の化合物に属するフェナセチンやアセトアミノフェン,ピラゾロン系の化合物であるアンチピリンなども,作用形式からみて広い意味でのアスピリン様薬物の系列に入るものといえるが,解熱鎮痛作用に比べると抗炎症作用をもたないか,あるいは抗炎症作用が弱い点で異なっている。このような作用形式上の若干の違いの理由としては,組織,器官によってシクロオキシゲナーゼの阻害のされ方が違うためであろうと考えられるような実験結果も報告されている。…

※「アンチピリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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