イソプロピルアルコール

デジタル大辞泉 「イソプロピルアルコール」の意味・読み・例文・類語

イソプロピル‐アルコール(isopropyl alcohol)

プロピレン濃硫酸に吸収させてから、水で加水分解して得られる無色、揮発性の液体。工業用溶剤消毒剤防腐剤使用化学式CH3CH(OH)CH3 慣用名イソプロパノール

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化学辞典 第2版 「イソプロピルアルコール」の解説

イソプロピルアルコール
イソプロピルアルコール
isopropyl alcohol

C3H8O(60.10).CH3CH(OH)CH32-プロパノール(2-propanol)ともいう.イソプロパノール誤称である.脂肪族飽和アルコール類の一つ.第二級アルコールとしてもっとも簡単なもの.プロペンの水和により合成できるが,工業的にはプロペンを硫酸に吸収し,加水分解する方法と,固体酸触媒による気相および気泡混相接触水和法,さらにヘテロポリ酸触媒を用いる液相水和法とがある.揮発性,引火性の無色の液体.融点-88.5 ℃,沸点88.23 ℃.0.78084.1.37527.爆発範囲2.0~12.0体積%.水,炭化水素油,含酸素有機溶媒に易溶.水と共沸混合物をつくる.溶剤,医薬用,凍結防止剤などに使われる.[CAS 67-63-0]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソプロピルアルコール」の意味・わかりやすい解説

イソプロピルアルコール
いそぷろぴるあるこーる
isopropyl alcohol

正しくは2-プロパノールという。脂肪族飽和アルコール類の一つ。無色の特有なにおいをもち、水よりやや粘性のある揮発性の液体。石油の分解で得られるプロピレンを濃硫酸に吸収させ、これに水を作用させて製造する。水にもアルコール類にも炭化水素にもよく溶け、また引火性がある。イソプロピルアルコール蒸気を、加熱した酸化銅あるいは酸化亜鉛触媒上を通すと脱水素されてアセトンを生ずる。またイソプロピルアルコールの蒸気は、銀触媒上で酸素により部分的に酸化されてアセトンとなる。イソプロピルアルコールはアセトンの合成原料としてまた溶剤として利用される。

[徳丸克己]


イソプロピルアルコール(データノート)
いそぷろぴるあるこーるでーたのーと

イソプロピルアルコール
  CH3CH(OH)CH3
 分子式 C3H8O
 分子量 60.10
 融点  -89.5℃
 沸点  82.4℃
 比重  0.7864(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.3771

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソプロピルアルコール」の意味・わかりやすい解説

イソプロピルアルコール
isopropyl alcohol

化学式 (CH3)2CHOH 。イソプロパノール,2-プロパノールともいう。プロピレンと硫酸から合成するほか,糖蜜の発酵によっても生成する。工業的には石油分解ガスから分離したプロピレンを原料として生産される。引火性のある無色揮発性液体で,沸点 82℃。水に溶け,また水と共沸混合物をつくる。多くの有機溶媒に溶ける。酸化によって容易にアセトンに変るので,アセトンの合成原料として用いられる。イソプロピル化剤,凍結防止剤や溶剤などにも多く使われるほか,分析用の弱い還元剤,非水溶媒滴定の溶剤などにも使われる。医薬品として薬局方に収載される。蛋白質,リポイドの変性を起す作用によって殺菌効果を示し,消毒薬としてエタノールの2倍の効力をもつ。作用非選択性のため内用には用いられず,皮膚,手術器具の消毒や化粧品の溶剤に利用される。消毒薬としては,破傷風菌や炭疽菌のような芽胞産生菌には無効といわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「イソプロピルアルコール」の意味・わかりやすい解説

イソプロピルアルコール
isopropyl alcohol

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栄養・生化学辞典 「イソプロピルアルコール」の解説

イソプロピルアルコール

 →イソプロパノール

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世界大百科事典(旧版)内のイソプロピルアルコールの言及

【プロピルアルコール】より

…メチルアルコール製造の副生物として得られる。
[イソプロピルアルコールisopropyl alcohol]
 IUPAC名は2‐プロパノール。化学式(CH3)2CHOH。…

※「イソプロピルアルコール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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