イリドスミン(読み)いりどすみん(その他表記)iridosmine

デジタル大辞泉 「イリドスミン」の意味・読み・例文・類語

イリドスミン(iridosmine)

イリジウムオスミウムとの合金天然にも産する。耐食性が強く、硬いので、万年筆ペン先使用オスミリジウム。イリドスミウム。

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精選版 日本国語大辞典 「イリドスミン」の意味・読み・例文・類語

イリドスミン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] iridosmine ) イリジウムとオスミウムの天然合金。少量の白金ロジウムルテニウムなどを含む。きわめて硬く、耐蝕性にすぐれ、万年筆のペン先や電気接点材料に用いられる。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イリドスミン」の意味・わかりやすい解説

イリドスミン
いりどすみん
iridosmine

塩基性深成岩あるいは超塩基性岩中、あるいはこれらから導かれた砂鉱中に産する鉱物白金族元素の合金鉱物として独立種の扱いを受けてきたが、現在は含イリジウム自然オスミウムとして取り扱われており、この名称は変種名となっている。自然オスミウムは六方晶系に属する白金族元素鉱物で、合金を構成している場合、オスミウムの量が原子比にしてもっとも多いものについて適用されている。

加藤 昭]


イリドスミン(データノート)
いりどすみんでーたのーと

イリドスミン
 英名    iridosmine
 化学式   (Os,Ir)
 少量成分  Ru,Rh,Pt,Fe
 結晶系   六方
 硬度    6~7
 比重    19~21
 色     錫白
 光沢    金属
 条痕    灰
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

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改訂新版 世界大百科事典 「イリドスミン」の意味・わかりやすい解説

イリドスミン
iridosmine

天然に産出する白金族元素の混合物で,オスミリジウムosmiridiumとも呼ばれる。きわめて硬く,耐食性がすぐれているので,万年筆のペンの先端につけて使用された。おもな成分はイリジウムIr40%,オスミウムOs17~45%で,少量のルテニウムRu,白金Pt,ロジウムRhを含む。その後,天然のものではなく,Ir,Os,Ruなどの合金がペンの先端に使われるようになった。
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百科事典マイペディア 「イリドスミン」の意味・わかりやすい解説

イリドスミン

自然白金

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世界大百科事典(旧版)内のイリドスミンの言及

【元素鉱物】より

…30種以上の元素鉱物が知られている。元素鉱物には,自然金Au,自然銀Ag,自然銅Cu,自然鉄Fe,自然ニッケル鉄(Ni,Fe),自然白金Pt,自然ルテニウムRu,イリドスミン(Os,Ir),オスミリジウム(Ir,Os)などの金属元素鉱物,自然ヒ(砒)(別名,自然ヒ素)As,自然アンチモンSb,アレモン鉱AsSb,自然ソウ鉛Bi,自然テルルTeなどの半金属元素鉱物,および自然硫黄S,グラファイトC,ダイヤモンドCの非金属元素鉱物の3亜類がある。自然金は,各種金銀鉱床(熱水鉱脈鉱床,接触交代鉱床)中におもに石英に伴われて産する。…

※「イリドスミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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