ウェリントン(ニュージーランド)(読み)うぇりんとん(英語表記)Wellington

翻訳|Wellington

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウェリントン(ニュージーランド)
うぇりんとん
Wellington

ニュージーランド首都。北島南部の天然の良港ポート・ニコルソンに臨む。気候は西岸海洋性で、年平均気温12.6℃、年較差7.9℃、年降水量1256ミリメートルで温和である。人口16万3824、衛星都市を含めた大都市圏の人口は33万9747(2001)。市街地はポート・ニコルソン南西部のラムトン港に接する埋立地にあり、官公庁をはじめ企業の本社が集まり、政治、経済の中心である。市街地は背後に丘陵が迫り、拡張の余地がなく、北部にペトーニPetone、ローアー・ハットLower Hutt、アッパー・ハットUpper Huttなどの衛星都市が発達した。港湾施設は完備し、この国第二の貿易港で、外航客船の寄港地でもある。国内航路は、クライストチャーチおよびピクトン間に定期連絡船が就航している。南東部のロンゴタイには国際空港がある。オークランドとの間には特急や寝台列車が走り、陸海空の交通の要衝である。

 1840年にニュージーランド会社により計画された都市で、市名は、同社の創立に関係したウェリントン公爵にちなむ。最初の居住地は北岸のペトーニ側であったが、南風の影響が強いため、今日のラムトン側へ移動した。1865年、オークランドにかわって首都となった。ビクトリア大学(1897創立)、国立博物館、オタリ植物博物館など、教育・文化施設も整っている。1876年に建設された政庁は、世界最大級の木造建築一つである。

[浅黄谷剛寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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