ウナギ(読み)うなぎ(英語表記)eel

翻訳|eel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウナギ」の意味・わかりやすい解説

ウナギ
うなぎ / 鰻
eel

硬骨魚綱ウナギ目ウナギ科Anguillidaeの魚類の総称。ウナギ類は深海で産卵し、淡水域に入って成長する魚で、南北アメリカの西岸域、南アメリカ中・南部の大西洋域、アフリカ中・南部の大西洋域などを除く世界各地に分布する。分布の中心はセレベス海周辺などの東南アジアである。この海域から長い地質学的年代を経て分布を広げていったものとみられる。種数は、亜種まで含めると世界で18種が認められ、太平洋には12種、インド洋には6種、両海域にまたがるもの2種、大西洋に2種がいる。ウナギAnguilla japonicaは、北海道中部以南に分布し、大陸側では渤海(ぼっかい)湾からベトナム北部のトンキン地方に及ぶ。南西諸島や台湾にも生息し、南限はフィリピン北部、東限は小笠原(おがさわら)諸島である。量的には日本よりはむしろ中国大陸に多い。また、南西諸島や黒潮が直接ぶつかる島嶼(とうしょ)、九州と四国南部から利根(とね)川に至る各地には熱帯性のオオウナギA. marmorataがいる。

[多部田修]

形態

全長は、2メートルになるオオウナギは別として、一般に40~50センチメートル、まれには1メートルを超えるものがある。体は円筒形で、細長く、いわゆるウナギ形である。背びれ、尾びれ、臀(しり)びれは連なる。腹びれがないので無足魚ともいう。鱗(うろこ)は小さく、長楕円(ちょうだえん)形で、皮下に埋まっている。体の背部は暗青色、腹部は白い。ウナギ類は背びれの基底の長さによって長鰭(ちょうき)型(13種)と短鰭型(5種)、体の斑紋(はんもん)の有無によって有紋型(7種)と無紋型(11種)に分けられる。日本のウナギは長鰭、無紋型、オオウナギは長鰭、有紋型に属する。短鰭型ウナギは台湾以南に分布する。

[多部田修]

生態

春先に河口にたどり着いたシラスウナギは、いったん川に上り始めると、どんな障害があってもそれを乗り越えて前進する。わずかでも湿気があれば野や畑を越え、断崖(だんがい)をも登って上流に達することもある。河川、湖沼、内湾に生息し、夜行性で、昼間は石垣、穴、泥の中などに潜み、夜間水中に出て摂餌(せつじ)する。きわめて貪食(どんしょく)で、天然の餌(えさ)は小魚、昆虫、貝類、エビ、カニ、ミミズ、多毛類などである。春から摂餌量が増加し、夏によく成長する。水温が10℃に下がると餌をとらなくなり、冬季はほとんど泥の中に潜っている。また、秋の水温低下とともに下流の深所や内湾に下り、春にふたたび上流へ移動するものもある。淡水域で5~10年を過ごした親魚は下りウナギになって、9月ごろから産卵のため降海する。

[多部田修]

下りウナギ

産卵回遊期の下りウナギは雌のほうが大きく、一般に小形魚(300グラム以下)は雄、大形魚(500グラム以上)は雌、中間には雌雄がある。秋から冬の台風による増水後や、気圧、気温が低下した際に降海する。このとき、体にはさまざまな変化が生じる。まず、産卵回遊に先だって断食するので、消化管や肛門(こうもん)は退化する。筋肉は水分が減り、かわりに大量の脂肪を蓄積して、長い回遊に備える。胸びれは大きくなり、背部とともに黒色に、腹部は銀白色に変化し、婚姻色を示す。皮膚は肥厚し、鱗(うろこ)と側線は明瞭(めいりょう)になり、目は深海魚のように巨大化する。内分泌腺(せん)にも顕著な変化が生じ、降海後の浸透圧調節にあたる。このような下りウナギは9月から翌年1月に東シナ海中央部でみられる。しかし、その卵巣の卵は0.3ミリメートル程度で、まだきわめて小さい。日本産のウナギについては不明であるが、ヨーロッパウナギA. anguillaは、水温、水深、地磁気の差異を感知して、1日に25~50キロメートルの速度で産卵場へ向かうという。

[多部田修]

初期生活史

日本産ウナギの産卵場は沖縄南方の、台湾東方にあたる海域と考えられるが、天然の卵や孵化仔魚(ふかしぎょ)はまだ採集されておらず、不明な点が多い。産卵期は冬を中心にかなり長期にわたる。最近のホルモン投与による成熟促進、人工産卵の研究によれば、水温22℃の海水が入った水槽で、雄が雌を追尾しながら、表面近くで、朝方産卵する。1尾の産卵数は100万~300万粒。産み出された卵は分離浮性卵で、卵径は1ミリメートルであるが、すぐ膨れて1.7ミリメートル程度になる。1日半で孵化し、孵化仔魚の大きさは3ミリメートル、2週間で7ミリメートル、17日で10ミリメートルに達した。この期には中層に懸垂している。孵化仔魚は柳葉状の透明なレプトセファルスleptocephalus(葉形幼生)に成長する。この幼生は昼夜の深浅回遊をしながら、60ミリメートルに達するころ沿岸沖で変態し、シラスウナギになる。産卵からシラスウナギまでの期間はヨーロッパウナギでは2.5年を要し、海流中に生ずる電位差などを感知して沖合いから沿岸へたどり着くという。ウナギとアメリカウナギA. rostrataはほぼ1年間でシラスウナギになるとみられる。シラスウナギは昼間は沿岸や河口の底に隠れているが、夜になると遡河(そか)を始める。遡河期は10月上旬から翌年の5月下旬で、最盛期は1~3月である。遡河量は水温、潮汐(ちょうせき)、満潮の時刻、日没に影響され、満潮が日没前後の場合はとくに多い。

 ウナギ類の産卵場としては北大西洋のサルガッソー海が有名で、この付近でヨーロッパウナギとアメリカウナギが産卵する。このほか、東部インド洋のスマトラ島南西沖のメンタワイ海溝ではオオウナギを含む4種の産卵が確認されている。

[多部田修]

養殖

日本では1878年(明治11)に始まり、淡水魚の集約的養殖のうちもっとも優れた技術の一つに発展した。従来は静岡県、愛知県、三重県の東海地方で主として行われ、国内生産の90%以上を占めていたが、1965年(昭和40)ごろから温暖で利水条件に恵まれた四国、九州で急速に普及した。飼育方式は、給水状態によって、止水式、流水式、半流水式、換水式、循環濾過(ろか)式に分けられる。これまでの養鰻(ようまん)は露地における止水式が中心であったが、慢性的種苗不足と病害の続発で、効率の悪い従来の自然温度による飼育法が見直され、加温養殖が取り上げられるようになった。これに伴って飼育方式も止水式から現在のように多様化した。適地の条件は用水の温度が高く、水量が豊富なこと、種苗のシラスウナギが大量に得られることである。

 養殖法としてはシラスウナギを養成し、原料として販売する原料養成、その原料から食用ウナギの養成を行うフト養成と、この両者をあわせて行うものがある。ことに最近の室内温水養殖では両者をあわせて行うものが多い。従来の露地養殖ではシラスウナギから成魚までの養成に1年半から2年半を要したが、温水養殖では1年以内に成品になる。

 原料の養成は冬季から温水池で行うので、まずシラスウナギを元池の水温(25~28℃)に馴致(じゅんち)させる必要がある。このとき、疾病を防ぐため薬浴を行う。餌(え)づけには主としてイトミミズを用い、しだいに配合飼料か鮮魚のすり身にかえる。成長に伴って魚体は不ぞろいになるので、選別し、分養を行う。この作業を2日間隔で続けて行う。室内池から露地池へウナギを移すのは、両者の水温が一致する6月ごろである。ウナギは4グラムになると養殖用種苗になるので、成長したものから出荷する。

 原料から食用ウナギまでのフト養成においても加温養殖がなされるが、高温時には露地でも養成する。餌(えさ)は従来イワシなどの生魚を用いていたが、現在では配合飼料が多い。止水式の露地池では植物プランクトンのアオコによって飼育水を良好に保つので、アオコの繁殖を促す水づくりがたいせつである。食用サイズの100グラム前後のものが多くなれば適宜取り上げて出荷する。成品の取り上げには、池の中の一部のウナギを取り上げる網差し、大部分を取り上げる網引き、池の掃除を兼ねてすべてのウナギを取り上げる池替えがある。

 選別した出荷用のウナギは活じめ(いけじめ)を行う。活じめは成品の品質をよくし、長時間の輸送に耐えるようにすることが目的で、ざるなどに入れて2~4日間シャワーから水を流すか水路につける。このようなウナギ10キログラムと氷1キログラムをポリエチレンの袋に入れ、酸素を充填(じゅうてん)すれば24時間の輸送が可能である。ウナギの販売先は問屋が60%で過半数を占め、ついで漁業協同組合が28%、業務消費と小売商が各3%、その他6%で、淡水魚のなかではもっとも流通ルートにのった市場性の高い魚種である。

 日本では1970年ごろから養鰻用種苗のシラスウナギが不足し、毎年外国産種苗が多量に輸入されている。もっとも多いヨーロッパウナギは安価で、冬季にも摂餌して成長するが、逆に高温に弱く夏ばてし、病気にかかりやすく、雄の成長が悪いという欠点がある。なお、これらの外来ウナギを河川への放流用種苗に用いているところもある。

 日本式の集約的養殖は台湾でも行われ、多い年には年間2万トン以上の生産がある。イタリアではベネチアに近いコマキオ湖で粗放的養殖がなされ年間1000トン程度の生産がある。このほか、韓国、中国、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピンでも集約的養殖を始めている。

[多部田修]

漁獲量・消費量

ウナギの消費量は近年急速に増加し、輸入量を含めると11万6000トンを突破している(2003)。このうち、国内の養殖によるものは2万1742トンで、天然ウナギの漁獲量は589トンにすぎない。輸入ものの活鰻は台湾の養殖ものが大部分を占め2万トンに達し、鰻加工品は中国からのものが大部分を占め7万トンに達する。このほか、韓国、タイ、香港(ホンコン)、アメリカなどからも輸入されている。ヨーロッパにおける漁獲量は年間計2万トン程度で、フランス、デンマーク、イタリア、オランダ、イギリス、ポーランドが多い。消費国はドイツとオランダで、おのおの年間5000トンに達するが、大部分は外国からの輸入に頼っている。フランスはシラスウナギの最大の漁獲国で、ヨーロッパ諸国と日本などへ輸出している。アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、トルコなども数百トン以上を漁獲し、おもに輸出している。

[多部田修]

釣り

夏から初秋にかけてが釣り期で、穴釣りとブッコミ釣りがある。釣りの仕掛けには地方色があり、餌(えさ)も産地で異なるのが特徴。穴釣りは、1メートルほどの細い竹竿(たけざお)を用意し、これにコアユやミミズ類などをつけた鉤(はり)を竹の先端にひっかける。そして竹竿を添える形で、岸寄りの石垣などの穴に差し込んでやる。竹竿は先に抜き、そのまま待って魚信があったらウナギを引き抜く。カニの多い所では、これが餌をいたずらしてウナギの魚信と間違いやすい。ブッコミ釣りは、スピニング・リールで岸または船から投げる。餌はドバミミズやゴカイなどを用いる。時間的には日没前ごろから夜にかけてがとくによく、日中をねらう場合は、水色が雨で多少濁った日がよい。

[松田年雄]

料理

明治33年(1900)版の『東京買物独(ひとり)案内』ではウナギの漢字は鱺の文字のみを用いている。ウナギの食用は有史以前からであるという。また『万葉集』に「石麻呂(いわまろ)に我(われ)物申(ものもお)す夏痩(なつや)せに良しといふものそ鰻(むなぎ)捕り喫(め)せ」という大伴家持(おおとものやかもち)の歌があり、古くから栄養食品としてウナギを用いていたという証拠にしている。平安朝のころには、ウナギを放置して自然発酵させたものを酸味をもつ食品として扱い、宇治川のウナギを用いたものを「宇治丸」と名づけて賞味していた。大分県日田(ひた)市地方では、ウナギを裂いて川水にさらし、刺身にしている異色の郷土料理がある。福岡県のずぼううなぎは、いまでも旧家でまれにつくられている郷土料理で、ウナギを塩にまぶしてかまどの上につるして、煙を当てて乾燥するものである。茨城県古河(こが)市の名物、ウナギのてんぷらは、小さいウナギを用いているが美味な郷土料理である。

 ウナギの蒲焼き(かばやき)の語源についてはいろいろな説があるが、斎藤彦麿(ひこまろ)(1768―1854)著の『傍廂(かたびさし)』(江戸後期)によると、ウナギを裂かずに口から串(くし)を刺して焼いた形が蒲(がま)の穂に似ているのでこの名がついたとある。ウナギは蒲焼きが最高の調理法である。蒲焼きの始まりは、元禄(げんろく)(1688~1704)初年とみられている。蒲焼きは、つくる過程で、たれをつけて焼くとき発生する煙の一部がウナギについて一種の味覚を加える。この煙の味はウナギ料理には必要なもので、北欧のウナギ料理でも原則として煙を利用する方法をとっているので、料理名にフューメfumé(いぶす)の文字がついているものが多い。うなぎ丼(どんぶり)の創案者は江戸後期の事業家大久保今介(いますけ)である。またこれを初めて売り出したのは、日本橋葺屋(ふきや)町の大野屋という蒲焼き屋であるといわれているが、嘉永(かえい)年間(1848~1854)版の『江戸買物案内』には、うなぎ丼の元祖として出ている。また土用丑の日(うしのひ)にウナギを食べる風習の元祖は、春木屋善兵衛という蒲焼き屋であるということも明記してある。

 ウナギは外国でもかなり幅広く利用されている。フランス料理では、フライや、赤ワイン、タマネギ、香辛料とともに煮込むマトロート、またソテーなどにして食べる。ドイツでは、スープをはじめ、蒸す、焼く、ゼリー寄せ、フライなどにする。イタリアでは薫製が有名で、これを炒(いた)めたり、煮込んだりする。

 ウナギは栄養価が高く、タンパク質、脂質、ビタミンA、B1、B2に富んでいる。

[河野友美・多田鉄之助・大滝 緑]

人間との関係

ウナギはその発生が謎と思われたり、また特殊な形態から善悪いずれの意味づけもなされ、民間信仰のなかでしばしば重要な役割を演じてきた。ヘビと同一視されることも多く、川、湖沼、海の主(ぬし)とされたり、男根のシンボルとなったりするが、そのシンボリズムは多くの部分でヘビと重なり合っている。

 人間の霊魂が宿るものと考えられることもあり、マダガスカルの先住民は、人の魂は身分の違いに従ってワニ、大ヘビ、ウナギの順に宿ると信じ、またフィリピンの山地民イゴロットは、ウナギを祖先の霊であるとして食べずに餌(えさ)を与えるという。ヨーロッパでは、滑ってつかみにくく、自在に形を変えることから「砂袋の中のウナギのように自由自在」というたとえが聖書の箴言(しんげん)にあるが、悪魔的な性質をもつものと考えられることもあり、ウナギを食べたことが死の原因になるような説話もある。

[木村秀雄]

民俗

ウナギは「むなぎ」とよばれて、古くから滋養豊富な食物とされてきた。土用の丑の日にウナギを食べるのは、平賀源内と蜀山人(しょくさんじん)の創案ともいわれるが、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の使いだとして生涯その信者はウナギを食べないとか、山道に迷った貴人が谷川をさかのぼるウナギに案内されて助かったのは、信心している虚空蔵菩薩の示現であろうと、以後とらえたり食べることを禁止したというような伝承が各地にある。ほかに池の主であるとか、怪物の大ウナギの話、耳の生えているウナギの話、旅僧に化けて毒流しの中止を訴える話、山の芋が変じてウナギとなる話など数多くの伝説があるが、香川県三豊(みとよ)郡の二宮神社では、雨乞(あまご)いの占いで白いウナギが出現すれば大雨、黒いウナギでは雨が降らないとしている。

 ウナギを神の使いとする神社には、岩手県遠野市の宇名(うな)明神や宮城県の運難(うんなん)明神などウナギの名に通じたものが多く、また京都の三島神社などにあるウナギの図柄の絵馬は、夫婦和合や安産の祈願とされている。

[矢野憲一]

『松井魁著『鰻学 生物学的研究篇』『鰻学 養成技術篇』(1972・恒星社厚生閣)』『松井魁著『うなぎの本』(1977・柴田書店)』『野村稔編『淡水養殖技術』(1982・恒星社厚生閣)』『小沢貴和・林征一著『ウナギの科学』(1999・恒星社厚生閣)』『リチャード・シュヴァイド著、梶山あゆみ訳『ウナギのふしぎ――驚き!世界の鰻食文化』(2005・日本経済新聞社)』『広瀬慶二著、日本水産学会監修『うなぎを増やす』改訂版(2005・成山堂書店)』


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改訂新版 世界大百科事典 「ウナギ」の意味・わかりやすい解説

ウナギ (鰻)
eel

ウナギ目ウナギ科Anguillidaeの硬骨魚の総称,またはそのうちの1種を指す。ウナギ類は海で生まれ淡水中で成長するが,その生活史はまだなぞに包まれている部分が多い。いずれもウナギ属Anguillaの魚で世界中に16種いるが,そのうち3種はそれぞれ2亜種に分けられているので計19種類。日本にいるものはウナギとオオウナギの2種である。すべて温水性魚類で,熱帯ないし温帯に分布する。

 体は円筒形で,胸びれはよく発達しているが,腹びれはなく,背びれ,尾びれ,しりびれは連続している。鰓蓋(さいがい)は発達せず,比較的小さな鰓孔(えらあな)を開く。体色は背面が黒く,腹面は白色で,ときにやや黄色みを帯びる。うろこは長楕円形で小さく,皮膚に埋没してモザイク状に並んでいる。うろこには輪紋があるが,年齢を推定するのには内耳にある耳石の輪紋によるほうが正確である。胃は噴門胃,盲囊胃,幽門胃の3部に分かれ,腸は直走して短い。血液中にイクチオトキシンichthyotoxinと呼ばれる神経毒を含む。

 夜行性で,淡水中に生活している成魚は日中は水中の物陰に潜み,夜間泳ぎ出して小魚,エビ,カニ,ミミズ,水生昆虫などを捕食する。遊泳は蛇行型。体の表面に多量の粘液(ムチンmucineなどの糖タンパクを主とする複雑な物質よりなる)を分泌し,皮膚呼吸の能力も優れているので,雨が降った後など,水中から出て湿った地面をはってかなりの距離を移動することがある。川と連絡のない池などにウナギがすみついていることがあるのもこの性質による。

ウナギの成熟年齢は一定していないが,早いものは生後5,6年,遅いものでも12年ほどで成熟する。いずれにせよ,川の中で十分に成長し,成熟し始めたウナギは9~11月ころ,産卵のため川を下って海に入る。このときには,体の背面および胸びれは濃黒色となり,腹面も黒みを帯びた銀色に輝いてくるので銀腹(ぎんばら)ウナギと呼ばれる。海に出た後,産卵場に達するまでの過程についてはわかっていない。産卵場も明らかでないが,大西洋のウナギの産卵場はデンマークの海洋生物学者シュミットErnst Johannes Schmidt(1877-1933)によってつきとめられた。体が透明でヤナギの葉のような形をしたレプトセファラス(葉形幼生)がウナギの仔魚(しぎよ)であることは,当時すでに知られていた。シュミットは1904年から調査船で北大西洋の各水域を回って採集を重ねた末,より小さなレプトセファラスの採集される場所をたどって,ついに22年バミューダ島の南東方のサルガッソー海がウナギの産卵場であることをつきとめた。日本のウナギの産卵場はまだ明らかにされていないが,これまでのレプトセファラスの採集された位置や海洋条件などから判断して,沖縄の南方,台湾の東方の水域が産卵場としてもっとも有力視されている。

 卵は浮遊性で,産卵時の卵径は約1mmであるが,日本のウナギでは産み出されると直ちに吸水して1.8mm程度になり,およそ35時間後に孵化(ふか)。レプトセファラスとして黒潮にのって日本近海まで流され,陸岸に近づいたところで変態するものと考えられる。変態後の稚魚の形は成魚と同様であるが,まだ体は透明でシラスウナギと呼ばれる。シラスウナギは河口周辺に集まり,やがて群れをなして川をのぼり,体色はしだいに着色してクロコと呼ばれるようになる。以後は淡水中にすみつき成長することになる。

 ウナギAnguilla japonicaは北海道石狩川と襟裳岬以南の日本の各地,朝鮮半島,南西諸島,台湾,中国,北ベトナムにわたって分布。日本では太平洋側,とくに利根川以南に多い。全長はふつう40~50cmであるが,ときに1mを超すものもある。脊椎骨数は112~119。シラスウナギの来遊は11,12月から4月にわたる。各地で養殖されている。漁法としては一本釣り,置鉤(おきばり),縄釣り,ウナギかき,ウナギ筒,引網,やな,待網などのほか,地方によりさまざまな小規模漁具を用いる方法もある。蒲焼,白焼き,酢の物,卵とじなどとして賞味され,肝臓,消化管は肝吸いとされる。

 オオウナギA.marmorataはカニクイともいう。本州南部から中国,フィリピン,ニューギニア,インド洋,アフリカ南東部にわたり分布範囲はすこぶる広い。体表には黒褐色の斑紋がある。名前が示すようにはなはだ大きくなり,全長1m以上になるものが少なくない。脊椎骨数は100~110。日本のおもな生息地では天然記念物に指定され保護されている。

ウナギの養殖は1879年に東京深川で初めて試みられた。その後,浜名湖周辺,豊橋,桑名などに養鰻(ようまん)池がつくられ,これが基になって東海地方でしだいに養鰻業が盛んとなり,1965年ころまでは静岡,愛知,三重の3県下で全国生産量の90%以上をあげていた。気候が温暖で,水利もよく,とくに昔はウナギのおもな餌とされたカイコのさなぎが豊富に入手できたことも,この地方で養鰻が盛んになった理由である。現在では,ウナギ養殖は広く本州,四国,九州の各地で行われるようになった。

 養殖の方式には止水式,流水式,循環ろ過式などがある。70年ころまでは屋外池での止水式がふつうだった。水温が下がるとウナギの成長が衰えるので,止水式では新しい水をあまり入れない。その代り,池の中に藍藻類や緑藻類の植物プランクトン(俗称アオコ)を繁殖させ,それらの炭酸同化作用によって水中に酸素を補給させ,ウナギの呼吸に役だてるとともに,排泄物,残餌など有機物の分解を促すわけである。また,池の水を流動させ,大気を水中に積極的に溶けこませるため,水面に攪水(かくすい)車を設けている。最近は室内に止水式の池をつくり加温する方式もある。流水式はボイラーの冷却水など各種の工業による温排水を注入して,十分な酸素を供給しながら余剰の熱エネルギーを有効利用してウナギの成長を促す方式である。また,循環ろ過式は水を飼育池とろ過槽との間で循環させ,水質を悪化させる有機物をろ床中の微生物によって分解除去しながらウナギを飼う方式で,用水と熱エネルギーの利用効率が高い。

 養殖用種苗としては,シラスウナギに餌づけをし,ある程度大きくなったものを使う。シラスウナギは海岸に寄ってきたものを夜間すくい網ですくいとるか,袋網を河口付近に設置して,上げ潮にのって川へのぼってくるシラスウナギをとらえ,種苗池に収容する。ここでイトミミズや配合飼料を与えて,餌になれさせ,体重が1~13g程度になった養ビリ(養殖段階に入ったいちばん小さいもの),さらに大きく15~40g程度になった養中を種苗として養魚池に移す。なお,商品にできるほど大きくなったものを養太(ようた)/(よた)という。近年,日本で漁獲されるシラスウナギだけでは養殖用種苗としての需要をみたすことができないので,台湾,韓国,フランス,イタリア,モロッコ,カナダ,アメリカ,キューバ,ニュージーランドなどの諸外国からシラス,あるいは養ビリ,養中をかなりの量輸入して不足を補っている。海水を入れた水槽の中で,親ウナギに生殖腺刺激ホルモンなどを与えて産卵を人工的に促すことも試みられ,産卵,孵化と初期飼育には成功しているが,まだレプトセファラスを飼いあげ変態させてシラスウナギを得るまでには至っていない。

 養殖用飼料としては水で練った配合飼料とか生魚をすり身にしたものを与える。一つの池の中で育てても成長は一様に進まず共食いも起こるので,かなり頻繁に大小を選別して分養する必要がある。また,養魚池内では細菌性,ウイルス性などさまざまな病気が発生し大きな被害を与えることがある。順調に成長して,体重が150g以上になると出荷できるので,網を用い,あるいは池の水を排出してウナギを取り上げ,容器に入れて2~4日間,シャワーを浴びせ,または水路に浸して,いわゆる〈活(い)けしめ〉を行う。活けしめによってウナギの代謝率が低下するので輸送中も健康を保つことができる。従来の止水式の屋外池ではシラスウナギから出荷できるまでには1年半~2年半を要するが,加温方式では冬の間も餌を食い成長が衰えないので半年~1年半で出荷できる。

 なお,ウナギ目には上記のほか,アナゴウツボウミヘビシギウナギハモホラアナゴなどが含まれる。またその姿からか,フウセンウナギメクラウナギヌタウナギヤツメウナギデンキウナギなどのようにウナギの名のついた魚も多いが,生物学的にはウナギとはまったく違う仲間である。
執筆者:

ウナギの栄養価が高いことを日本人は古くから知っていたようで,《万葉集》には〈石麻呂にわれ物申す夏瘦(なつやせ)に良しといふ物ぞ鰻(むなぎ)とり召せ〉という大伴家持の歌が見られる。しかし,この歌にはウナギを美味とするどころか,逆に〈まずい〉〈気味の悪い〉とでもいいたげな口吻(こうふん)がある。たしかに江戸時代以前,ウナギは決して美味な魚ではなかった。室町時代には宇治丸(うじまる)のすし,蒲焼などのウナギの料理が行われていた。宇治丸は宇治川産のウナギの異名であり,同時にウナギのすしをもいった。このすしは,米飯で漬け込んで魚だけを食べるなれずしであった(すし)。蒲焼は,長いまま丸ごと焼いてからぶつ切りにして,しょうゆと酒を合わせたものか,サンショウみそをつけて食べた。

 江戸時代になってようやくウナギをさいて骨やわたを除くようになった。しょうゆのほかに,みりんや砂糖も出回るようになって,いまのような〈たれ〉をつけて焼く蒲焼の手法が完成し,斎藤彦麿(1768-1854)が《傍廂(かたびさし)》でいうように〈無双の美味〉となったのである。

 今の蒲焼は,関東では背開き,関西では腹開きにし,竹串を打って素焼き(しらやき)(白焼き)にする。何回も裏返して素焼きにしたあと,関西ではたれをかけながら付け焼きにし,関東では蒸器に入れて蒸してから付け焼きにする。たれは,しょうゆとみりんを合わせたもので,つぎたしつぎたしして使ううち,ウナギの脂肪が溶けこんで美味になる。蒲焼は大きさによっていろいろな呼び方があり,ふつう250g前後のものを中串,400g程度のものを中粗(ちゆうあら),600g程度以上のものを大串と呼ぶ。また,開いたものを切らずにそのまま串を打ったのを長(なが)と呼び,2尾さしたものを二長(になが),3尾のものを三長,そして,これらを〈いかだ〉と呼ぶこともある。ごく小さなウナギをメソ,メソッコと呼び,頭をつけたままさき,串に巻きつけて焼く。これを竜の姿で剣に巻きついた俱利迦羅竜王(くりからりゆうおう)に見立てて俱利迦羅焼きという。土用の丑(うし)の日にウナギを食べる風習はうなぎ屋の商策に出たものであるが,暑中の栄養補給からみて当を得ており,1820年代には行われていた。

 ウナギの料理は,蒲焼およびそれを飯の上にのせてたれをかけたウナギ飯(うなどん,うな重)がもっともよく,それに緑茶をかけるウナギ茶漬も賞味される。関西ではウナギ飯を〈まむし〉とも呼び,蒲焼を飯の間に入れたり,小さく切って飯に混ぜたりする。〈まむし〉は〈まぶし〉の転で,飯にまぶすためという。福岡県柳川市の名物である〈蒸籠蒸(せいろむし)〉は,ウナギ飯をせいろうに入れて蒸したものである。そのほか,蒲焼を卵焼きに巻きこんだ〈うまき〉,キュウリもみに刻みこんだ〈うざく〉,煮たゴボウを巻きこんだ八幡巻(やわたまき)などもつくられる。素焼きはワサビじょうゆで食べるのがよく,肝はすまし仕立ての肝吸いや串焼きにされる。変わった料理では千葉県利根川河畔のてんぷら,京都の〈うぞうすい(鰻雑炊)〉がある。なお,フランス料理では赤ブドウ酒で煮こむマトロットが知られている。
執筆者:

アリストテレスがウナギの泥中自然発生を説き,また水中に落下した馬の毛がウナギに化したとか,祖霊や水生の小虫が化したと語る民族があるように,ウナギはその形態,発生の不可思議さから,古来,世界の各地で信仰の対象となってきた。台湾の高砂族の中にはウナギをまったく食せず,また漁猟中はウナギといってはならないという禁忌があった。マオリ族やミクロネシアのカナカ族,フィリピンのイフガオ族,マダガスカル島のベッシリオ族などでは祖先崇拝やトーテム信仰に結びついてウナギは神聖視された。

 また,その形態から生殖器崇拝と結びついて,京都市三島神社,埼玉県三郷市彦倉虚空蔵堂などでは夫婦和合,子授けの信仰があり,願掛けにはウナギが交尾している絵柄の絵馬を奉納する習俗がある。伝説では片目ウナギ,物言うウナギとして登場し,川ざらえの前日,池や川の主であるウナギが坊主に化けて,その非をさとして帰る話が各地で語られている。ウナギの転生譚(たん)として山芋が化してウナギになる話が《醒睡笑》《東遊記》などに見え,笑話化している。ウナギは水界の主として登場する一方,水神,竜王,金比羅,三島明神の使わしめとされ,伊豆の三島神社の社地内では神使として捕獲は固く禁じられた。なかでも,ウナギは虚空蔵菩薩の使わしめとされ,これを祭る所の人はウナギを食べない。岐阜県郡上市の旧美並村の粥川では妖怪退治にこの川のウナギが虚空蔵菩薩を加護,案内したとして住人はウナギを決して捕獲せず,明治初年までこの禁を犯すと村八分の制裁を受けた。旧仙台藩領に特徴的に分布するウンナン神はウナギ神で,近世初期の新田開発と洪水の頻発から,ウナギは洪水を起こすものとして,これを慰撫(いぶ),祭りこめたものと考えられる。ウンナン神社の多くは湧水地や水流の近く,さらに落雷の跡に祭られるなど水神,作神的性格が強い。
執筆者: 中国では明の李時珍の《本草綱目》巻四十四鱗部魚類にあげられる〈鰻鱺魚(ばんれいぎよ)〉が,いわゆるウナギを指すらしいが,別にウナギに似た中国特産の〈鱓魚(せんぎよ)〉,もしくは〈鱔魚(ぜんぎよ)〉がいて,〈鰻〉と〈鱓,鱔〉は文字表記のうえでも混同されている。魚類を神聖視する民間信仰は,ほとんど世界に共通するが,中国では,寧波(ニンポー)の阿育王寺をはじめとして,江蘇,浙江を中心とする各地に〈鰻井〉〈霊鰻井〉のあったことが伝えられる。その井戸には神聖なウナギが住み,姿を現すと水害,干害が起きるとか,日照りに祈れば雨を降らせると信じられたが,これはウナギの形状から水神の総帥である〈竜〉が連想され,あるいはウナギをその化身とみたことに由来しよう。また,美味で人の口に入りやすいことから仏教の殺生戒と結びつき,明末の《警世通言》に収載される〈計押番金鰻産禍〉をはじめとして,ウナギの殺生応報説話も数多く伝わる。
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食の医学館 「ウナギ」の解説

ウナギ

《栄養と働き》


 大昔、ウナギは、水神の使いとして神聖視された存在でした。一般的に食べられるようになったのは江戸時代で、平賀源内(ひらがげんない)が「土用の丑(うし)の日」にウナギを食べることを推奨した話が有名です。
 淡泊な食事になりがちな夏に、スタミナをつけ、夏バテ解消を狙った食習慣が、いまも受け継がれています。
〈レチノールが免疫力を高め、Eが疲労をやわらげる〉
○栄養成分としての働き
 ウナギはたんぱく質が豊富ですが、ほかにもビタミンAをはじめB2、D、E、カルシウムなどがバランスよく含まれている魚です。
 レチノール(ビタミンA)は、免疫力を高め、細菌やウイルスに対抗します。B2は皮膚や消化器官内の粘膜の健康を保つのに役立ちます。動脈硬化症や老化を進行させるといわれる過酸化脂質の分解を助ける働きもあります。つまりビタミンAやE、B2により、生活習慣病を予防し、さらに、皮膚や粘膜(ねんまく)の健康を保ちます。Eは若返りのビタミンと呼ばれ、活性酸素を除去し、末梢(まっしょう)血管を拡張し、老化を予防します。
 ほかに、脳の働きを支えるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血中の悪玉コレステロール値の上昇を抑制し、動脈硬化や脳血栓(のうけっせん)に有効なIPA(イコサペンタエン酸)も含まれています。
 さらには、ムコ多糖類という物質も含まれます。
 ムコ多糖類とは、ヌルヌルした動物に含まれる多糖体(たとうるい)の1つで、弱った胃腸の粘膜を保護し、消化吸収を助けるボディーガードのような働きをするものです。
〈肝15gで1日のビタミンAがとれる〉
 ウナギの肝(きも)はビタミンAが豊富で、カボチャのそれと比較すると約5倍、牛サーロインの1400倍にもなります。わずか肝20gで1日の摂取量がとれるほどです。
○注意すべきこと
 ウナギのかば焼き1串(100g)に、コレステロールは230mgもあるので、食べすぎに注意。

《調理のポイント》


 日本は世界一のウナギの消費国で、そのほとんどが養殖です。養殖ものは1年中出回りますが、やはり味がよい旬(しゅん)は7月末ごろ。皮膚に光沢があり、身がはっているものが美味です。
 一般的な食べ方はかば焼きですが、蒸(む)して脂(あぶら)を落とす白焼きもおいしくいただけます。栄養的には、かば焼きも白焼きも差はありません。頭はかぶと焼き、骨は揚げて、骨せんべいとして食べます。
<ヤツメウナギ>
 目のうしろにえら穴が7つあり、あたかも目が8つあるように見えることから名づけられた「ヤツメウナギ」は、薬用として用いられます。100g中に、たんぱく質15.8g、ビタミンA8200μgとひじょうに多く含むため、視覚・聴覚・生殖機能の維持やがんを防ぐ効果があるとされています。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウナギ」の意味・わかりやすい解説

ウナギ

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栄養・生化学辞典 「ウナギ」の解説

ウナギ

 [Anguilla japonica].ウナギ目ウナギ科の魚で,深海で産卵し,川に棲む.養殖も盛ん.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウナギの言及

【サルガッソー海】より

…これらの動物は周りの藻体と見分けるのが困難なほど似ている。 サルガッソー海はデンマークのシュミットJohannes Schmidtによって1922年にヨーロッパ産ウナギAnguilla anguillaの産卵場であることが確かめられた。彼は1904年にウナギの変態前の子魚であるレプトセファラスLeptocephalusを北部大西洋のフェロー諸島近くで採取した。…

【すし(鮓∥鮨)】より

… 室町時代は日本のすしに大きな画期をもたらした時代である。前代からの馴れずしはウナギ,ドジョウ,ナマズなど新しい材料を加えて盛んにつくられていたが,同時に馴れずしでは食べなかった飯を食べるものにした生成(なまなれ∥なまなり)というすしが発明されたのである。ウナギの馴れずしは宇治丸(うじまる)とも呼ばれた。…

【土用】より

…利用するほうでは,衣類や書物に風を通して虫干しする土用干しの風が全国的である。夏負け防止では土用丑の日の伝承が多く,ウの字のつくウナギ,ウリ,牛の肉や土用餅を食べる風習がある。静岡市にはユリの根を入れた土用粥を食べる所もある。…

【民間療法】より

…漆かぶれにサワガニをすりつぶして汁を塗るなども同じ例である。あせもに桃の葉を入れた湯に浴し,夏やせにウナギを食うなども理論的にうなずかれることであり,とくに後者は《万葉集》にも詠まれ,現に多くの人々が行っている。一般的にみて薬物療法がとくに効果の大きいのは外傷および皮膚病の類で,内科については効力の明確でない場合もまれではないようである。…

※「ウナギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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