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エッダ エッダEdda

翻訳|Edda

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エッダ
Edda

アイスランド古典文学の代表的な作品。韻文エッダと散文エッダがある。韻文エッダは,9世紀から 13世紀にかけて制作された作者未詳の約 40編の物語詩で,その写本は 13世紀後半にさかのぼる。神々,人間,巨人の世界の創世からラグナレク (神々のたそがれ) にいたる物語を含んだ神話詩と,古いゲルマン人の人生観や処世訓を反映する教訓詩と,シグルズ (ドイツの『ニーベルンゲンの歌』のジークフリートに相当する) の物語を主軸とする英雄詩から成る。散文エッダはスノッリ・ストゥルルソンによっておそらく 1222~23年に書かれたもので,スノッラ・エッダともいわれる。本来スカルド詩の作詩法を説明したもので,序に続いて,問答形式で神話体系を語る章,詩語についての章,および作者自身の作った 100の異なるスカルド詩形で書かれた国王賛歌から成る。

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デジタル大辞泉の解説

エッダ(Edda)

アイスランドに伝わる北欧の神話と英雄伝説の集大成。古歌謡の集成である古エッダと、スノッリ=スツルソンによる散文の新エッダの2種類がある。神話詩は天地創造や神と巨人の闘争などを主題とし、ゲルマン神話の宝庫。

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百科事典マイペディアの解説

エッダ

北欧の古歌謡の集成。(1)《古エッダ》。《歌謡エッダ》《セームンドのエッダ》とも。9―13世紀に古ノルド語で書かれた神話や英雄伝説に取材した歌謡集。神話詩の〈巫女の予言〉はその最大力編で,天地創造から神々と巨人の決戦による世界の滅亡を説いたもの。
→関連項目アイスランド語サガスカルド詩ニーベルングの指環

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世界大百科事典 第2版の解説

エッダ【Edda】

9世紀から13世紀にかけて古ノルド語で書かれた歌謡の集成。このほかにもうひとつ13世紀のアイスランドの学者スノッリ・ストゥルルソンの書いた詩学入門書《エッダ》があり,これら2書を区別するために,前者を《古エッダ》《歌謡エッダ》《セームンドのエッダ》などと呼び,後者を《新エッダ》《散文エッダ》《スノッリのエッダ》と称する。 《古エッダ》は,1643年アイスランドのスカウルホルトで発見された古写本の歌謡29編に,後世からの数編を加えたゲルマン神話,英雄伝説を内容とする古歌謡集である。

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大辞林 第三版の解説

エッダ【Edda】

古アイスランド語で書かれた古代北欧の古典。古エッダ(八~一一世紀成立)と新エッダ(一三世紀成立)とがある。前者は神話詩・教訓詩・英雄詩からなる。後者は、スノリ=スツルルソン(Snorri Sturluson1178~1241)作の散文による作詩の手引書。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エッダ
えっだ
Edda

アイスランドに伝えられた、北欧神話および英雄伝説の歌謡の集成。エッダという名でよばれる古ノルド語による作品は二つあり、普通、古いほうのエッダを『古エッダ』『歌謡エッダ』『セームンドのエッダ』とよび、もう一つの13世紀のアイスランドの学者スノッリ・スツルソンの書いた詩学入門書のほうを『新エッダ』『散文エッダ』などとして区別する。『古エッダ』は、1643年アイスランドのスカウルホルトで発見された写本をもとに、後世の写本から数編を加えた北欧神話、英雄伝説の古歌謡の集成である。3通りの韻律で書かれており、ゲルマンの古詩『ヒルデブラントの歌』『ベオウルフ』『ヘーリアント』などに共通の特徴といえる、頭韻で語句が結ばれた力強い歌謡である。個々の歌謡の作者や成立時代、場所については確実なことはわからないが、だいたい9世紀から13世紀にかけて成立したものらしい。内容は神話、英雄伝説、箴言(しんげん)の三つからなる。神話詩はゲルマン神話のもっとも豊かな宝庫として、神話や宗教研究の第一次資料を提供している。天地創造から、神々と巨人族の壮絶な戦い、世界の滅亡、またオーディン、トール、ロキなどの神々の多彩な形姿は、もっぱら『古エッダ』によって知ることができる。英雄詩は「ヘルギの歌」と「ニブルンガルの歌」の二つのグループに分けられる。大部分は大陸の歴史上の英雄を扱っていて、伝説圏の広がりを感じさせる。『ニーベルンゲンの歌』と同じ素材を扱った諸編は、簡潔素朴な表現のなかにゲルマン人の激情的な英雄精神をみなぎらせ、両者の比較研究に好個の材料を提供している。箴言は、多くは神話の枠に入っているが、北欧の民衆の現実生活に根ざした処世訓である。『オーディンの箴言』に記されている「財産は滅び、身内の者は死に絶え、自分もやがては死ぬ。だが、けっして滅びぬのが自らの得た名声だ」、「愚か者は財産か女の愛を手に入れると鼻高々となり増長するが、分別は増しはしない」などからもわかるように、北欧人の冷静で厳しい人間観察から生まれたモラルが示されている。『新エッダ』の内容は3部からなっている。第1部「ギュルビたぶらかし」は、枠物語の体裁をとり、『古エッダ』の「巫女(みこ)の予言」に大筋を借りて、世界の創造から破滅に至る神々の事績を、鮮やかな性格描写、多彩な事件を織り交ぜながら、芸術的にまとめた興味深い北欧神話概観である。たとえばトールの巨人の国での冒険などは『古エッダ』にない話で、『古エッダ』理解の有力な手掛りを与えてくれる。第2部「詩人のことば」は、ケニングという換喩(かんゆ)(武器の嵐(あらし)=戦い)の説明や同意語の紹介に、同時代の多くの詩人の作品を引用している。難解な詩語の説明と、ほかでは失われた詩人たちの作品が多数含まれている点が貴重である。第3部「韻律一覧」は、親交のあったノルウェーのハーコン・ハーコナルソン王とスクーリ侯のための、自作の頌歌(しょうか)とコメントである。このスノッリの『エッダ』は、ゲルマン最古の詩学入門書であると同時に、ゲルマン神話入門書ともいえる。[谷口幸男]
『谷口幸男訳『エッダ――古代北欧歌謡集』(1973・新潮社) ▽谷口幸男著『エッダとサガ』(1976・新潮社)』

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世界大百科事典内のエッダの言及

【アイスランド】より

… 文字による本格的な文学は12世紀に興り,13世紀にはアイスランド語による古典文学が栄えた。古典的な韻文学はエッダ詩とスカルド詩に大別される。いずれも9世紀以降に成立するが,すべて作者不詳のエッダ詩は比較的簡潔な韻律によって古い神々と英雄を扱い,古代ゲルマン・北欧精神文化を究める貴重な民族遺産となっている。…

【海】より

海神創世神話【吉田 敦彦】 海についての伝説,禁忌も数多くある。エッダによるとボルの息子らが,殺された巨人ユミルの血から海をつくったといい,フランスの海岸地方では,神がそれぞれの島にパラダイスから水滴を運ばせてつくったといい,あるいは悪魔が神の仕事を邪魔するために海をつくったともいい伝えている。神が水ばちと3粒の塩から海をつくり,太陽がかつて地上に降り聖者を小便によって追い払ったために海ができ,そのために塩辛いとも伝えられる。…

※「エッダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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