チョウジのにおいの精油成分の一つ。沸点255℃,比重1.0664(20℃),屈折率1.5405(20℃)。水には溶けないが,エチルアルコール,エーテルにはたやすく溶ける。丁子油(クローブ油),コブシ油,ピメント油の主成分として70~90%,ベイ油に約60%含まれ,ショウノウ油の高沸点留分,ショウギュウ(樟牛)油,ヤブニッケイ油,ニッケイ葉油,ショウブ油にも少量含まれる。おもにチョウジの乾燥した花蕾(からい)を水蒸気蒸留して得る。収量は10~20%。バニリンの重要な製造原料であり,これを苛性アルカリと加熱し,二重結合を転位させてイソオイゲノールとし,さらにオゾンまたはクロム酸で酸化してバニリンとする。カーネーション系香料などに用いられる。オイゲノールはまたチチュウカイミバエなどのフェロモンとしても知られている。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
4-allyl-2-methoxyphenol.C10H12O2(164.20).精油成分の一つで,ちょうじ油,肉けい葉油,けい皮油などに含まれる.ちょうじ油様の香気をもち,水に不溶,普通の有機溶媒に可溶.沸点255 ℃.1.072.1.541~1.542.香水などの香料として用いられる.[CAS 97-53-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ちょうじ油、桂皮(けいひ)油などに含まれる精油成分の一つ。強いスパイシーな香気を有する淡黄色の液体。ちょうじ油、シナモン葉油を3~5%水酸化ナトリウム水溶液で抽出、中和したのち、分離した油分を精留する。また、グアヤコールを原料として、合成する。
オイゲノールはカーネーション系調合香料に広く用いられる。また食品香料として畜肉、ソーセージおよびソースに用いられる。さらにバニリンの合成原料でもあり、香料としても重要なものの一つである。
[佐藤菊正]
オイゲノール
分子式 C10H12O2
分子量 164.2
融点 -9℃
沸点 255℃
比重 1.0664
引火点 110℃
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本や中国大陸に分布し,時には別属とされるサイシン類には本州から北九州の山地,中国大陸に分布するウスバサイシンA.sieboldii Miq.(イラスト)や,北海道やサハリンに分布するオクエゾサイシンA.heterotropoides Fr.Schum.,日本の中国,東北地方に分布するその変種のケイソンサイシンvar.mandshuricum (Maxim.) Kitagawaなどがある。それらの根茎を乾燥したものは細辛(さいしん)と呼ばれ,精油のユウゲノールeugenolやアサリニンasarininを含有し,芳香と辛みを有する。咳止め,発汗,胸痛などに用いられる。…
…消化器官系の病気やぜんそくを治すのに用いられ,解熱,鎮痛の作用があるといわれる。生の葉から蒸留した精油はパチョリアルコール,オイゲノール,ベンズアルデヒド,カジネンなどを含む。【村田 源】。…
※「オイゲノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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