オキシドール(その他表記)oxydol

デジタル大辞泉 「オキシドール」の意味・読み・例文・類語

オキシドール(〈ドイツ〉Oxydol)

過酸化水素水の日本薬局方名。過酸化水素を約3パーセント含む無色透明水溶液殺菌消毒剤ほか脱色漂白にも用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「オキシドール」の意味・読み・例文・類語

オキシドール

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Oxydol ) 過酸化水素水の日本薬局方名。二・五~三・五パーセント水溶液に安定剤を加えたもので、殺菌・消毒剤。無色、透明、無臭、またはオゾン臭がある。脱色、漂白にも用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「オキシドール」の意味・わかりやすい解説

オキシドール
oxydol

過酸化水素H2O2の2.5~3.5W/V%(重量対容量百分率)水溶液に適当な安定剤を加えたもの。過酸化水素水ともいい,商品名オキシフル。弱酸性で軽いオゾン臭のある無色透明の液体で,アルカリ性にすると激しく泡だって分解する。細菌血液,膿などに触れると,それらに含まれたカタラーゼによって分解され,発生期酸素が生じる。この酸素は強い酸化力をもち,殺菌作用や創傷に対する清浄作用を現す。これらの作用のうち,殺菌効果はそれほど強くはないが,栄養型の細菌などに対しては生活力を奪う。一方,芽胞結核菌には効果はない。原液あるいは数倍に希釈した液を,歯科や外科などで用いる。また一部の食品の漂白,種子の発芽促進や貯蔵毛髪の脱色,その他有機物の分解など,広い用途がある。ネズミに大量に与えると腸に腫瘍が発生することがあるとの報告がある。
過酸化水素
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オキシドール」の意味・わかりやすい解説

オキシドール
おきしどーる
oxydol

過酸化水素水の日本薬局方名で、殺菌消毒剤、漂白剤。過酸化水素を2.5~3.5%含む無色透明の弱酸性水溶液。血液、膿汁(のうじゅう)、組織などに触れるとカタラーゼの作用によって分解し、発生期の酸素を発生して発泡する。この発生期の酸素が殺菌作用、漂白作用を現す。殺菌作用は弱い。創面の消毒のほか、2~10倍に希釈してうがいに用いられる。練製品などの漂白、殺菌に用いられたことがあるが、発癌(はつがん)性のため禁止された。そのほか、毛髪の退色、器具の洗浄などにも用いられる。光によって変化し、熱にも弱いので、遮光して30℃以下で保存する。

[幸保文治]

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百科事典マイペディア 「オキシドール」の意味・わかりやすい解説

オキシドール

殺菌消毒薬。殺菌作用は発生期の酸素による。過酸化水素H2O2の2.5〜3.5%水溶液にフェナセチンなどの安定剤を加えたもの。商品名オキシフル。無色無臭またはオゾン様臭気をもつ液体。そのまま,または希釈し,うがい,洗浄などに用いる。牛乳やクリームの殺菌,器具洗浄,毛髪の色抜きなどにも用いる。
→関連項目うがい薬殺菌剤消毒薬

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オキシドール」の意味・わかりやすい解説

オキシドール
oxydol; hydrogen peroxide solution

過酸化水素水の日本薬局方名。商品名オキシフル。過酸化水素 2.5~3.0%を含む水溶液に安定性を加えたもの。酸素を発生して殺菌作用があるので,消毒・清拭用などに用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のオキシドールの言及

【殺菌剤】より

…この薬剤が医療用材料の材質の多様化に対応することができた功績は計り知れない。(8)オキシドール 酸化剤は作用がそれほど激しくないので創傷の殺菌に利用される。オキシドールが代表的である。…

※「オキシドール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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