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オーリニャック文化 オーリニャックぶんかAurignac culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オーリニャック文化
オーリニャックぶんか
Aurignac culture

ヨーロッパの後期旧石器時代初頭の文化。広義にはグラベット文化をも含む。ヨーロッパ南部を中心に広く分布している。最も特徴的な石器は舟の竜骨のような形,もしくは鼻の形を思わせる削器であり,いずれも剥片につくられているものが多い。他のヨーロッパの後期旧石器文化では,ほとんどの石器は石刃につくられているのに対し,ここでは剥片が多用されている。骨角器も基部の割れた銛が特徴的である。マドレーヌ文化と並んで,洞窟芸術がこの文化期に多く彫られ,描かれている。特にフランス,ローセルの浮彫によるビーナス像が著名である。標準遺跡はフランス南部の同名の遺跡。シリア,ヨルダン,イスラエルなどの地域では,レバンタイン・オーリニャック文化がみられる。そこでは石器組成はオーリニャック文化のそれとよく似ているが,オーリニャック文化がどこで生れたかは明らかではない。

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デジタル大辞泉の解説

オーリニャック‐ぶんか〔‐ブンクワ〕【オーリニャック文化】

フランス、ピレネー地方のオーリニャック(Aurignac)遺跡を標準遺跡とするヨーロッパの後期旧石器時代文化。前3万年ごろを中心とし、石器・骨器のほか、女人裸像(ビーナス像)や洞窟絵画などを残す。

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百科事典マイペディアの解説

オーリニャック文化【オーリニャックぶんか】

ヨーロッパの後期旧石器時代前半の文化。中部フランスのオーリニャックAurignac洞窟にちなんで命名。3期に分かれ,前期のシャテルペロン文化は西欧から西アジアに分布し,片側が直刃で背に丸みをもつ石刃が特徴。
→関連項目剥片石器母神像

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世界大百科事典 第2版の解説

オーリニャックぶんか【オーリニャック文化】

フランス,ピレネー地方のオーリニャックAurignac遺跡を標準遺跡とする後期旧石器時代文化。この文化は寒冷期に出現し(第I期),やがて急激な気候温暖期をむかえる(第II期)。これはアルシー温暖期にあてられ,炭素14法によって3万0500年前ごろとされる。オーリニャック文化は,20世紀初頭,ムスティエ文化ソリュートレ文化の間に位置づけられ,その後H.ブルイユによって3期に区分された。さらにその前・中・後の各期はおのおのをシャテルペロン文化,オーリニャック文化,グラベット文化と呼ばれることになる。

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大辞林 第三版の解説

オーリニャックぶんか【オーリニャック文化】

フランスのピレネー地方にあるオーリニャック(Aurignac)洞窟を標準遺跡とする後期旧石器時代の文化。紀元前三万~二万四千年頃。石器・骨器の他、様式化された動物小像などをもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オーリニャック文化
おーりにゃっくぶんか
Aurignacian

フランス、ピレネー地方のオーリニャック遺跡を標準遺跡とする後期旧石器時代前半の文化。前・中・後期に区分されていたが、のちに前期はシャテルペロン文化、後期はグラベット文化とよばれるようになり、中期のみをオーリニャック文化とよぶようになった。またシャテルペロン、グラベットの両文化を技術的同系列と考え、連続的にペリゴール文化の名で把握し、それにオーリニャック文化が併行したとする学説もある。しかし、この併行学説は最近否定される傾向にある。
 オーリニャック型の石器の分布はきわめて広い。西ヨーロッパから中国、およびアフリカのケニアからも報告されているが、それらを同じ文化とする考えは今日ではとられていない。西ヨーロッパでは3万年前ごろとC‐14の測定で年代が与えられるが、東ヨーロッパでは4万年前に近くなる。
 舟底形掻器(そうき)、獣鼻形掻器などの分厚い石器に特色がある。石刃の剥離(はくり)が初めて普遍的に行われる。この文化の始まりは基部割れの骨製尖頭(せんとう)器の出現に特徴づけられるが、骨製尖頭器の形態変化は時期細分の指標となる。また美術作品を残した最古の文化で、古拙的な画像をもつ刻画石灰岩(フェラシー遺跡)などがある。ただ、「オーリニャックのビーナス」とよばれ、広い分布をもつ女性小像はすべてグラベット文化に属するものである。文化の担い手は新人で、なかでも1868年に発見されたクロマニョン人、2体が並んで屈葬されていたグリマルディ人はよく知られる。[山中一郎]

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