カナカ(読み)かなか(その他表記)Kanaka

翻訳|Kanaka

デジタル大辞泉 「カナカ」の意味・読み・例文・類語

カナカ(Kanaka)

《ポリネシア語で、人の意》ハワイに住むポリネシア先住民。また、ミクロネシアに住むチャモロ族以外の人々の総称カナカ族

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精選版 日本国語大辞典 「カナカ」の意味・読み・例文・類語

カナカ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Kanaka 元来ハワイ語で「人」の意 ) ハワイに住むポリネシア系先住民。また、ミクロネシアに住むチャモロ族以外の人々の総称。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナカ」の意味・わかりやすい解説

カナカ
かなか
Kanaka

初めはハワイに住むポリネシア系の先住民をさす名称であったが、のちに広義南洋島々の人々、おもにミクロネシアの住民をさす俗称として使用された。ミクロネシアでは、スペイン人と混血して早くからキリスト教化した北部マリアナ諸島に居住する人々をチャモロ、それ以外の南部の島々に分布する人々をカナカという。現在チャモロとカナカを合わせてミクロネシア人とよんでいる。両者を通じて、ミクロネシア文化には、ポリネシア文化との類似が少なくない。

 言語は、東南アジアを原郷とするオーストロネシア語族に属す。人種的にはモンゴロイド人種に属する。ヨーロッパ人と接触する以前は、新石器文化の段階の農耕民で、ヤムイモタロイモなどの根茎作物の栽培と、バナナ、パンノキココヤシなどの果樹の利用を主とする生計を維持していた。ミクロネシアの西部では土器が知られていたが、中部および東部での料理法は、地炉で焼いた石の上で蒸し焼きにするもので、ウムの名で知られている。彼らは本来海の民であり、漁労は農耕に劣らず重要な生業であり、優れた航海術をもつ。なお、カナカということばは、俗称とされてあまり使用されなくなりつつあるが、民族アイデンティティ標語として採用されることもあり、たとえばニューカレドニア独立を主張する団体は「カナック」と称している。

牛島 巖]

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百科事典マイペディア 「カナカ」の意味・わかりやすい解説

カナカ

ハワイ語で〈人〉の意。先住民をさす蔑称として植民者により太平洋各地で用いられた。マリアナ諸島の混血化・西洋化した住民がチャモロと呼ばれたのに対して,カロリン諸島の住民はカナカと呼ばれた。ニューカレドニア諸島の先住民は,文化的には多様性をもちながら,総称としてカナカのフランス語カナクがあてはめられた結果,今日ではそれが先住民全体をさす語として用いられ,蔑称ではなくなってしまっている。いずれの用法も,人種的・文化的に特定の形態をさす用語ではない。

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